BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

人物

『教えてゲッチョ先生! - 昆虫のハテナ』盛口満

『教えてゲッチョ先生! - 昆虫のハテナ』盛口満 盛口満は多くの本を出しているが、どれでもいいから適当に一冊を手に取ると、「この人、ガチだわ……」というのが分かる。さかなクンに近い。無類の生物好き。ほんと見境がない。そして博学でありながら、スタ…

『なつめふく』三戸なつめ

『なつめふく』三戸なつめ もう見るからに「私は青文字です!」な三戸なつめ。身近にこんなキャラがいたら、どう接していいのか分からないな。世界観やら美意識やらが分からなすぎて。この本ではその手がかりを得られるかもしれない。ところでアソビシステム…

『ユークリッドと彼の現代のライバルたち』 ルイス・キャロル

『ユークリッドと彼の現代のライバルたち』ルイス・キャロル ルイス・キャロル(本名チャールズ・ドジソン)は、『不思議の国のアリス』を書いた野郎としてよく知られているが、実は数学者でもある。オックスフォードで数学を教えていたというから立派なもの…

『清沢洌の自由主義思想』 佐久間俊明

『清沢洌の自由主義思想』 佐久間俊明 『暗黒日記』と聞くと、「中二病かな?」と思ってしまうが、これは清沢洌が太平洋戦中に書き残した日記だ。井口喜源治に学び、アメリカに渡り、記者としてヘンリー・フォードやムッソリーニと会見し、国際ペン・クラブ…

『ヒラリー』 岸本裕紀子

『ヒラリー』岸本裕紀子 ちょっと前まで、「ふつうにヒラリーがトランプに勝って、順当に次期アメリカ大統領になるだろ。政策的にはオバマの踏襲で」と予想してた。だから、この比較的ゴシップ感覚で読めそうな、ヒラリー本を紹介するつもりでいた。しかし予…

『マイケル・パーマー - オルタナティヴなヴィジョンを求めて』 山内功一郎

『マイケル・パーマー - オルタナティヴなヴィジョンを求めて』山内功一郎 マイケル・パーマーって誰だ? どうやらこいつ(※英Wikipedia)みたいだ。多方面におかしなことをやってるな。野村喜和夫も推してるし、意外とアタリかもしらん。 現代アメリカを代…

『ソクラテス - われらが時代の人』ポール・ジョンソン

『ソクラテス - われらが時代の人』ポール・ジョンソン 永遠に新しい、愛されキャラのソクラテス本。「おそらくそうであっただろうソクラテス像を描きだすことに成功している」と中山元が書いてるんだから、この本はアタリだな。ところで醜男とは何だ。ルッ…

『カール・バルト - 神の愉快なパルチザン』宮田光雄

『カール・バルト - 神の愉快なパルチザン』宮田光雄 バルメン宣言でも知られるカール・バルトの評伝。バルメン宣言は原理主義的すぎて、距離を置きたいとこだが、相手がナチだから仕方なかったのかもな。それにバルトにはユーモアの感性があったというから…

『道程 - オリヴァー・サックス自伝』オリヴァー・ サックス

『道程 - オリヴァー・サックス自伝』オリヴァー・ サックス 『レナードの朝』、『妻を帽子とまちがえた男』、『音楽嗜好症』などで知られる、オビヴァー・サックスの遺作となってしまった自伝。自身の最期を予感して自伝を書いたのかもしれない。生前のオリ…

『ゲゲゲのゲーテ』水木しげる

『ゲゲゲのゲーテ』水木しげる 水木サンの遺作とも言える本作。一見朴訥、しかし超然。本人のあの風格は、真の意味での「ゲーテとの対話」によって育まれたものだろう。ただひとつのテキストを飽くことなく読み返し、我が身の血肉となるまで咀嚼する。究極の…

『7人の主君を渡り歩いた男 - 藤堂高虎という生き方』 江宮隆之

『7人の主君を渡り歩いた男 - 藤堂高虎という生き方』江宮隆之 ニコニコ大百科かアンサイクロペディアの無駄に充実したエントリに目を通すと、藤堂高虎の強烈なキャラを知ることができる。もちろん、だいぶ脚色が入ってることを考慮する必要はある。どんどん…

『40年間勝ち組を続ける男 - 荒正義直伝』荒正義

『40年間勝ち組を続ける男 - 荒正義直伝』荒正義 パッと見、スター性もカリスマ感もなく、むしろ平凡なサラリーマンといった風采の荒。アウトローの気配もない。実に楽しそうに犬猫ブログを更新している。しかし、だからこその凄みが、そこかしこから滲み出…

『一〇三歳、ひとりで生きる作法 - 老いたら老いたで、まんざらでもない』篠田桃紅

『一〇三歳、ひとりで生きる作法 - 老いたら老いたで、まんざらでもない』篠田桃紅 このところ、ちょいちょいテレビで見かける篠田の新刊。前作『一〇三歳になってわかったこと』はベストセラーになった。立居振る舞いは、さすがに衰えてるんだけど、作品自…

『朱の記憶 - 亀倉雄策伝』馬場マコト

『朱の記憶 - 亀倉雄策伝』馬場マコト 五輪エンブレムのドタバタで、変な角度から見直されるようになった亀倉雄策。現代にもスターデザイナーと呼ばれる連中はいるものの、巨星亀倉の前では霞んでしまう。亀倉の仕事を知れば知るほど、あまりのスケールのデ…

『危機と決断 - 前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録』 ベン・バーナンキ

『危機と決断(上下巻) - 前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録』ベン・バーナンキ ヨーダみたいなグリーンスパンの後、FRB議長に就いたバーナンキの回顧録。リーマンショック時の進むも地獄 退くも地獄な状況下、奴は何を手掛かりに決断したのか。俺が知りたい…

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成 表紙の笑顔が最高! 2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智の伝記。書き手の馬場錬成は、2012年にも大村本『大村智 - 2億人を病魔から守った化学者』を出してて、安心して読める。 養蚕の…

『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』鈴木惣一朗/細野晴臣ほか

『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』鈴木惣一朗/細野晴臣ほか 「細野晴臣」と「録音術」の組み合わせが、アンド検索の候補に出て来ても、ちっとも不思議ではない。そのまんまの題名。マジでタイトルに違和感なさすぎ。 40年におよぶ細野…

『老人と猫』ニルス・ウッデンベリ

『老人と猫』ニルス・ウッデンベリ 心理学の教授が猫の心を読もうとして、結果的に翻弄されるはずのエッセイ。読後おそらく何の恩恵ももたらさないだろうが、むしろそれぞ猫についての本だと言いたい。作者についてはスウェーデン語のWikipediaで知ることが…

『中曽根康弘 - 「大統領的首相」の軌跡』服部龍二

『中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡』服部龍二 世間的に田中角栄の再評価が静かに続いているので、その流れで中曽根康弘本を読んでみるのはどうよ? 自主憲法制定を訴えるタカ派、主張を変える「風見鶏」、首相就任時も、田中角栄の影響下「田中曽根内閣」…

『MOGA』最上もが/桑島智輝

『MOGA』最上もが/桑島智輝 安達祐実の再婚相手でもある桑島智輝の写真は、ちゃんとポートレートしてる。バカな奴をバカっぽく、エロい奴をエロっぽく撮る。つまり、そいつらしさを撮影できる。でんぱ組の最上もがが相手でもそれは同じだろう。金髪ロリ顔ス…

『テロリストの息子』ザック・エブラヒム/ジェフ・ジャイルズ

『テロリストの息子』ザック・エブラヒム/ジェフ・ジャイルズ 今後もテロリストの息子が増えそうなので気になった。だが本来ならば、こういった「感動的な話」を称揚する以前に、誰かがテロリストとならざるを得ないような環境を(そしてその子供が差別され…