BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

更新休止

おひさ。このブログは更新ストップする。すでに停止してるから事後報告になるな。そもそも無茶なブログで、ふつーに書評サイトやってればいいのに、新刊紹介に特化した新ジャンルなサイトだった上、えらく幅広い分野の本を扱ってたから、三か月くらい生存し…

『何かのためではない、特別なこと』平川克美

『何かのためではない、特別なこと』平川克美 あーもう、紹介文からしてカッコいいし、その上でタイトルを読むとさらに味わい深い。本書は『復路の哲学』の続編的な位置づけになるのかな。さて、例えばダラダラとネットに接続してるとき、「即効性があり、有…

『外為決済とCLS銀行』中島真志

『外為決済とCLS銀行』中島真志 『決済システムのすべて』、『証券決済システムのすべて』、『SWIFTのすべて』で知られる中島真志の新刊は、CLS銀行モノ。ちなみにヘルシュタット・リスクを軽減するためG20の合意に基づいて設立されたのが、CLS(Continuous …

『あなたの魅力を爆発させる方法』山田マキ

『あなたの魅力を爆発させる方法』山田マキ いかにも狙ってそうなタイトルとは裏腹に、老若男女を問わず好まれる魅力を探った渋い本。「人の魅力とは何か?」と考えれば、最終的に表面的なアレコレはすべてそぎ落とされ、その人の素があっけらかんと出ている…

『トウガラシの世界史 - 辛くて熱い「食卓革命」』山本紀夫

『トウガラシの世界史 - 辛くて熱い「食卓革命」』山本紀夫 『トウガラシ讃歌』、『ジャガイモとインカ帝国』、『インカの末裔たち』などの著作がある山本紀夫によるトウガラシの新書。中南米を原産地とするトウガラシに関する書籍なので、その仕事のブレな…

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』大熊将八

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』大熊将八 こういう本を書くのは、青山や明治のイメージがあったけど(慶応でも可)、東大ってのが時代を感じる。日本経済の末期的な様相。表紙のユルさに反して、企業分析はしっかりしてる。ノベライズなので、ノンフィク…

『影響力の心理 - The Power Games』ヘンリック・フェキセウス

『影響力の心理 - The Power Games』ヘンリック・フェキセウス わりかし、「なるほど」と思える事例が並ぶ。「弱みを見せたほうが信頼される」、「共通点があると影響力が格段に上がる」、「人は集団になると簡単に操られる」などなど。その一方で、「人を褒…

『楊 淑美・流ヴォイストレーニングBOOK 目覚めよ! あなたも知らない自分の声』楊淑美

『楊 淑美・流ヴォイストレーニングBOOK 目覚めよ! あなたも知らない自分の声』楊淑美 どうしよう、元タカラジェンヌの本を紹介するのは、妙に緊張する。しかしここは気にせず、ふつうのボイトレ本として紹介しよう。さて一般に、個人の声はそうそう変わら…

『魔の地ニューギニアで戦えり』植松仁作

『魔の地ニューギニアで戦えり』植松仁作 ニューギニアといえば南半球である。今では信じられないことに、旧日本軍はそんなところまで出向いていた。ただ単純に驚く。それもほぼ行き当たりばったりの計画で、現地で何とかするタイプのブラックな任務。大局観…

『プライオメトリック・トレーニング』ドナルド・チュー/グレゴリー・マイヤー

『プライオメトリック・トレーニング』Donald.A.Chu/Gregory.D.Myer 日本では、いまだあまり馴染みのないプライオメトリック(Plyometrics)の本。瞬発力を求められる競技において、アスリートの筋力を最適化させるトレーニングとでも考えるといい。筋収縮…

『自然の鉛筆』ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット

『自然の鉛筆』ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット 世界最古とされる写真集を出版したウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット。これはその写真集『自然の鉛筆(Pencil of Nature)』の完全訳。写真史のお勉強をする感覚で、この本をめくっ…

『俺たち妊活部 - 「パパになりたい!」男たち101人の本音』村橋ゴロー

『俺たち妊活部 - 「パパになりたい!」男たち101人の本音』村橋ゴロー 見ての通り妊活本である。妊活とは妊娠活動の略で、妊娠を目的とした行為および対策に取り組む活動のことであり、笑ってはいけない。当事者たちにとって不妊は深刻な問題で、しばしば不…

『インフォグラフィックスの潮流 - 情報と図解の近代史』永原康史

『インフォグラフィックスの潮流 - 情報と図解の近代史』永原康史 インフォグラフィックスは見ていて目に楽しい。美しいインフォグラフィックスは、あたかも高度に洗練された抽象画のよう。鮮やかな色彩と、無駄のないシャープな輪郭、そして明確な伝達意志…

『進化系! 筋肉男子の栄養学』竹並恵里

『進化系! 筋肉男子の栄養学』竹並恵里 筋肉男子といえば、ササミを連想してしまう。そして、ササミといえば鶏で、マッチョすぎる男子はシャモを思い起こさせる。軍鶏は、ちょっとニワトリとしてやり過ぎな感じで、「ブロイラーをやめたいのは分かるが、そ…

『バイエルの謎 - 日本文化になった教則本』安田寛

『バイエルの謎 - 日本文化になった教則本』安田寛 「とりあえずビール」と同じように、ピアノを始めるとなると、「まずはバイエル」というスタンダードが日本には定着している。その一方で、なぜビールなのか、なぜバイエルなのか、そもそもビールとは何か…

『医薬データ解析のためのベイズ統計学』エマニュエル・ルサッフル/アンドリュー・B・ローソン

『医薬データ解析のためのベイズ統計学』エマニュエル・ルサッフル/アンドリュー・B・ローソン データ解析、機械学習の文脈から、急速に注目を集めるようになったベイズ統計。去年あたりから雨後のタケノコのごとく、入門書がバンバン出てる。出版社の思惑…

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子 昨日はオバマ大統領が、キューバの地を踏んだ歴史的な一日だった。キューバ危機から実に半世紀以上が経過して、ようやく両国の歩み寄りが本格化し、何ともめでたいことである。さて、キューバと言えば…

『できる大人の「一筆添える」技術』むらかみかずこ

『できる大人の「一筆添える」技術』むらかみかずこ これは分かる。ただ仕事を頼むんじゃなくて、ほんの一言そえるだけで、グッとコミュニケーションは円滑になる。モチベーションも変わってくる。文書でも事情は同じで、「これとこれ、明日までにお願いしま…

『なぜ? からはじまる歎異抄』武田定光

『なぜ? からはじまる歎異抄』武田定光 いいアプローチの『歎異抄』入門書だと思う。ちなみに『歎異抄』は、「なぜ?」から始まって、そのまま終わらないディープな本なので、「なるほど! わかった!」という風に解説する本があったら、それはインチキなニ…

『孤高のハンセン病医師 - 小笠原登「日記」を読む』藤野豊

『孤高のハンセン病医師 - 小笠原登「日記」を読む』藤野豊 世にトンデモ学説はいくつもあるが、その中でもっとも下劣で愚かしいものは、差別と偏見を助長するために存在するトンデモ学説だ。癩予防法が施行されていた時代における、ハンセン病患者の強制隔…

『鮎川義介- 日産コンツェルンを作った男』堀雅昭

『鮎川義介- 日産コンツェルンを作った男』堀雅昭 鮎川義介による「事業は創作であり、自分は一個の創作家である」という言葉は、その波乱の生涯を見ると、深く納得させられる。たしかに創作家でもなければ出来ないような、非常に旺盛な事業展開だ。こういう…

『負ける人は無駄な練習をする - 卓球王 勝者のメンタリティー』水谷隼

『負ける人は無駄な練習をする - 卓球王 勝者のメンタリティー』水谷隼 卓球界の本田圭佑、あるいは錦織圭、もしくは松山英樹。そんな水谷隼だからこそ書ける本。よほどのメンタルを持っていないと、このタイトル(負ける人は無駄な練習をする)は付けられな…

『手話を生きる - 少数言語が多数派日本語と出会うところで』斉藤道雄

『手話を生きる - 少数言語が多数派日本語と出会うところで』斉藤道雄 著者の斎藤道雄は、ジャーナリストで、ドキュメンタリー番組プロデュースを多く手掛けてきた人物。『治りませんように - べてるの家のいま』で講談社ノンフィクション賞を受賞した実力派…

『トンブクトゥ - 交界都市の歴史と現在』応地利明

『トンブクトゥ - 交界都市の歴史と現在』応地利明 イブン・バットゥータにより、「黄金の都」として知られるようになったトンブクトゥ。かつてはサハラ交易で栄え、アフリカの交易上重要なポジションを占めた。今では世界遺産に登録されてるが、なかなか日…

『ウェブ小説の衝撃 - ネット発ヒットコンテンツのしくみ』飯田一史

『ウェブ小説の衝撃 - ネット発ヒットコンテンツのしくみ』飯田一史 著者は「衝撃 ネット小説のいま」を連載している飯田一史。ウェブ小説界隈にはほとんど縁がないが、今のところウェブで書かれなければならない必然性を伴った小説に接した記憶はない。だか…

『うるうのもり』小林賢太郎

『うるうのもり』小林賢太郎 ラーメンズの小林賢太郎といえば、ほころびを見つけるのがウマい。あるいは、ほころばせるのがウマい。すなわち、理詰めで話を作っていって、それが破綻するところを上手に見せてくれる。稀有な才能。そのセンスは絵本でも健在だ…

『リトヴィーノフ - ナチスに抗したソ連外交官』斎藤治子

『リトヴィーノフ - ナチスに抗したソ連外交官』斎藤治子 旧ソ連の外交官マクシム・リトヴィノフの激アツな人生を辿った一冊。リトヴィーノフのことは、まったく知らなかったが、ちょっとプロフィールを見ただけでも、かなり波乱万丈な一生だ。この本では、…

『売れるハンドメイド作家の教科書』中尾亜由美

『売れるハンドメイド作家の教科書』中尾亜由美 「ネットでお小遣い稼ぎ!」といえば、アフィリエイトやオークション、ポイントサイト、ブログライターに内職系ビジネスなどが知られているが、どれもこれも基本的には稼げない。徒労という言葉が一番しっくり…

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫 順天堂大学がん哲学外来の案内書。がん治療と言えば、外科手術、薬物療法、放射線治療あたりがメジャーで、哲学外来は飛び抜けて異色だ。しかし、生死に関わる病であるガンともなれば、哲学外来があっても不思議ではない…

『正義の境界』オノラ・オニール

『正義の境界』オノラ・オニール ジョン・ロールズに学んだオノラ・オニールの初邦訳。オニールについては、TEDのこの動画で見たことがあるかもしれない。けっこうな高齢。さて、オニールいわく「国境はもはや正当な正義の境界として見なしえない」。こう言…