BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『アインシュタインとヒトラーの科学者 - ノーベル賞学者レーナルトはなぜナチスと行動を共にしたのか』ブルース・J・ヒルマンほか

『アインシュタインとヒトラーの科学者 - ノーベル賞学者レーナルトはなぜナチスと行動を共にしたのか』ブルース・J・ヒルマン/ビルギット・エルトル=ヴァグナー/ベルント・C・ヴァグナー ヒトラー側についたノーベル賞物理学者フィリップ・レーナルトの…

『ピアノ、その左手の響き - 歴史をつなぐピアニストの挑戦』智内威雄

『ピアノ、その左手の響き - 歴史をつなぐピアニストの挑戦』智内威雄 局所性ジストニアの発症により、後天的に右手の自由を失った智内による、左手のピアノ音楽案内。ETV特集「左手のピアニスト」で智内のことを知った人もいると思うが、多くの人は左手のピ…

『買わないおしゃれ - パターンから考える無駄にならないワードローブの選び方』Mパターン研究所

『買わないおしゃれ - パターンから考える無駄にならないワードローブの選び方』Mパターン研究所 美しいシルエットの服を仕立てられるパターンとその説明書を販売している、Mパターン研究所の本。そういうわけで、タイトルの指すパターンとは、いわゆる規則…

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二 住基カード(2015年12月で発行終了)の時代から、未来型国家として注目されていたエストニア。この記事なんかは、2007年のものだ。「住基カードの普及策はエストニアの…

『グラフ型データベース入門 - Neo4jを使う』Neo4jユーザーグループ

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『グラフ型データベース入門 - Neo4jを使う』Neo4jユーザーグループ グラフ型データベースと聞くと、ふつうは素朴に「円グラフや棒グラフのためのデータベースかな?」と思ってしまうが、そういうのではない。ざっくりNoSQL(Not Only SQL)に分類されるデー…

『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』野口健司

『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』野口健司 「おかしいな? 確率論だけでカジノには勝てないはずだが……」と思ったら、この書き手の野口はカウンティングをやってるようだ。あー、はい。全部一瞬で納得できた。そりゃ確率論で勝…

『なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか - 孫正義のYesと言わせる技術』三木雄信

『なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか - 孫正義のYesと言わせる技術』三木雄信 なぜかタイトルで軽くディスられる孫正義。書き手の三木は、社長室長の頃に孫正義と間近に接していた。それでいて、誰もが思っていて、口にできなかったことを…

『幕末に海を渡った養蚕書』竹田敏ほか

『幕末に海を渡った養蚕書』竹田敏ほか 上垣守国が1802年に書いた養蚕書『養蚕秘録』が、シーボルトによってオランダを経由し、フランスで翻訳され、後にイタリア語にも訳された経緯と時代背景を追った本。ちなみにフランスでは19世紀後半から養蚕業が衰退、…

『ひまわり8号 - 気象衛星講座』伊東譲司/西村修司/田中武夫/岡本幸三

『ひまわり8号 - 気象衛星講座』伊東譲司/西村修司/田中武夫/岡本幸三 天気予報でおなじみの気象衛星ひまわり。あれだけよく耳にするのに、実際のところ何をやってるのか、まったく知らない。ひまわり8号リアルタイムWebからスペックの高さは垣間見えるが…

『打撃の神髄 - 榎本喜八伝』松井浩

『打撃の神髄 - 榎本喜八伝』松井浩 偉大な打者にして、ミステリアスな存在、それが榎本喜八だ。安打製造機と呼ばれた最初の選手であり、実に数多くの伝説的なエピソードを持つ。その辺りをざっと知りたいなら、Wikipediaやニコニコ大百科を見るといい。求道…

『インド人の「力」』山下博司

『インド人の「力」』山下博司 このところインド関係の書籍を多く目にする。やはり中国の次はインドなんだろう。著者の山下は、長年インドに住み、インド哲学、思想書をいくつも出しており、この方面の書き手として信頼できる。その山下が注目するインド人の…

明日は更新ナシ

送別会があるので

『犬と、走る』本多有香

『犬と、走る』本多有香 タイトルから、「犬とジョギングする本かな?」とか「アジリティの本かな?」とか思ってしまいそうだが、そんなのではなく、世界一過酷とされるユーコン・クエスト(犬ぞりレース)の本である。そして著者は、日本人女性で初めてユー…

『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』ジョセフ・E・スティグリッツ

『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』ジョセフ・E・スティグリッツ 経済関係者は信頼できない。とりわけアナリストを名乗る連中はひどい。朝令暮改な言動は珍しくも何ともなく、マーケットが開く前と閉まった後で、言ってることが真逆になるのは、…

『いつだって ともだち』内田麟太郎/降矢なな

『いつだって ともだち』内田麟太郎/降矢なな 内田麟太郎と降矢ななペアによる「おれたち、ともだち!」シリーズの最新刊。三月はお別れシーズンなので、タイトルからして「そういう内容かな?」と思ったが、どうやら違うようだ。よって、まだまだこのシリ…

『生き物と向き合う仕事』田向健一

『生き物と向き合う仕事』田向健一 一般に獣医というと、「生き物にやさしいまなざしで接する、ハートウォーミングな職業人」といった印象を持ちがちだ。だが、本作ではその印象をのっけから破壊する。「動物を救うことが獣医学の真理ではない。獣医学は、た…

『脳内異界美術誌 - 幻想と真相のはざま』荒俣宏

『脳内異界美術誌 - 幻想と真相のはざま』荒俣宏 書くべき人が書いた本。荒俣センセイによる、幻想美術、アウトサイダー・アートに関する書籍。しっくり来る。だいたい本人自身が、異界から来たようなオーラ出してる。それでいてオカルト方面とは、きっちり…

『トランペットを吹き鳴らせ! セルビア&マケドニア ジプシー音楽修行記』吉開裕子

『トランペットを吹き鳴らせ! セルビア&マケドニア ジプシー音楽修行記』吉開裕子 痛快なタイトルと同じように、生き方も痛快な吉開裕子のトランペット放浪記。いいなー、この体当たりな感じ! どれだけ著者がジプシー音楽に魅了されてるかが分かる。好き…

『ラマヌジャン - ゼータ関数論文集』黒川信重/小山信也

『ラマヌジャン - ゼータ関数論文集』黒川信重/小山信也 『ラマヌジャンζの衝撃』の黒川信重と、『素数からゼータへ、そしてカオスへ』の小山信也による、豪華なラマヌジャン本。黒川と小山はよく一緒に仕事してて、ラマヌジャンが取り結んだ縁だなー、と思…

『プロが教える YouTubeビジネス活用術』石割俊一郎

『プロが教える YouTubeビジネス活用術』石割俊一郎 いまや誰でも簡単にネットに動画をアップできる環境がハード、ソフトともに整っているが、中小企業がそれをうまく使いこなしているとは言い難い。Webサイトやブログを中小企業がまるで活用できてなかった…

『技術流出の構図 - エンジニアたちは世界へとどう動いたか』藤原綾乃

『技術流出の構図 - エンジニアたちは世界へとどう動いたか』藤原綾乃 海外への頭脳流出は、著者も指摘しているようにセンセーショナルに扱われがちで、その一方では落ち着いた議論や検証が乏しい。本書では、日本企業から東アジア企業へ移った技術者の動き…

『数寄語り』潮田洋一郎

『数寄語り』潮田洋一郎 狭くて、深くて、滅法カネのかかる世界、数寄。興味本位で覗いてみるなら、この本なんかお手ごろだ。LIXILグループ会長である潮田洋一郎の、一般人には絶対に手の届かないコレクションを、サクッとチェックできる。創業者の潮田健次…

『黄砂にいどむ - 緑の高原をめざして』高橋秀雄

『黄砂にいどむ - 緑の高原をめざして』高橋秀雄 砂漠地帯の緑化はロマンだ。マスコミは時おり、「この地帯の緑化が成功しました。ご覧ください!」などとニュースで報道するが、実際は数年も手入れを放置すれば、もとの砂漠に戻ってしまう。そうそう簡単に…

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代 NHK Eテレの「カラフル!」って番組が大好きで、いつも欠かさず見てる。まったく他愛もない15分番組でありつつ、極めて良質なドキュメンタリー。さて、この偕成社から出てる「世界のともだち」シリーズ…

『今までにないスイーツの発想と組み立て - 素材を活かした組み合わせのアイデアとテクニック』吉田菊次郎/中西昭生

『今までにないスイーツの発想と組み立て - 素材を活かした組み合わせのアイデアとテクニック』吉田菊次郎/中西昭生 IBMがシェフ・ワトソンを作るよりもずっと以前、スペイン伝説のレストラン「エル・ブジ(El Bulli)」では、鬼才フェラン・アドリアが極め…

『へんてこな春画』石上阿希

『へんてこな春画』石上阿希 2013年から3か月ほど大英博物館で開かれた春画展「Shunga - sex and pleasure in Japanese art」は、有料企画だったにもかかわらず、9万人を動員するヒットを記録した。来場者の6割弱が女性だったのも話題になったんで、覚えてる…

『成長をかけ算にする サイバーエージェント 広報の仕事術』上村嗣美

『成長をかけ算にする - サイバーエージェント 広報の仕事術』上村嗣美 サイバーエージェントと言えば、この何年かキラキラ女子に代表される新卒を積極的に採用しては、前面に「リア充な会社でーす!」とアピってて、どんな魂胆でそんなことやってるのか謎だ…

『突破! リッチー・マコウ自伝』リッチー・マコウ/グレッグ・マクギー

『突破! リッチー・マコウ自伝』リッチー・マコウ/グレッグ・マクギー 「俺にまかせろ! ついてこい! 全部フォローしてやる!」そんな男気溢れる、リッチー・マコウの自伝。去年、現役からの引退を発表したが、そのリーダーシップは色あせることがない。…

『虫たちと作った世界に一つだけのレモン』河合浩樹

『虫たちと作った 世界に一つだけのレモン』河合浩樹 無農薬栽培の苦労話は数多いが、このレモン栽培では虫に注目したところが、とりわけ面白い。理にかなっているし、それでいて一筋縄ではいかないからだ。植物が生きているように、昆虫も生きていて、それ…

『ムーンショット! - Moonshot!』ジョン・スカリー

『ムーンショット! - Moonshot!』ジョン・スカリー ジョン・スカリーによるイノベーション本。モバイル、クラウド、センサー、ビッグデータに注目すべきという。なるほど、特に当たり障りのないことを言ってる。さすがだ。今なら他にも人工知能、フィンテッ…