BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『ギャルと「僕ら」の20年史 - 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』 長谷川晶一

『ギャルと「僕ら」の20年史 - 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』長谷川晶一

レジェンドな雑誌『Cawaii!』の足取りをたどる本。この雑誌の表紙は、30メートル先からでも視認できるほどヒドいものだったが、それでいて「かわいい」を自称していたんだから恐れ入る。

まったく美意識は共有できなかったが、いま思えば一周してヤマンバやコギャルたちは相当カッコよかった。日本のファッション界にあった欧米追従型のダッサい風潮を、根底から破壊しつくしたからな。それもガングロメイクだの、小汚い靴下だの、わけの分からない文脈から。

強烈な反面教師でありつつ、何気に日本のファッションセンスを底上げした功労者だと思う。もっと自由なファッションのあり方を、実に分かりやすく世間に提示したので。そして実際に00年代以降、日本人の着こなしは一気に洗練されていったし、独自の発展を遂げるようにすらなった。

初代編集長から4代にわたる男性編集長と、当時 Cawaii! 編集部員だった著者自身の歓喜と苦悩、そして女子高生モデルやカリスマ店員の駆け抜けた時代を リアルな筆致で描き出す。

ギャルと「僕ら」の20年史――女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉

ギャルと「僕ら」の20年史――女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉