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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『鬼谷子 - 100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術』 高橋健太郎

『鬼谷子 - 100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術』 高橋健太

この本はずいぶん題名で損してそうだ。何しろ「鬼谷子」なので、芸能人の「鬼奴(おにやっこ)」によるタレント本と勘違いされそうだからだ。もちろん、まったく関係ない。鬼谷子は「きこくし」と読み、『史記』によれば蘇秦の師とされる人物だ。ただし謎が多く、実際のところはよく分からない。蘇秦の手による偽書としての『鬼谷子』が、おそらく正しいんだろう。

しかし、その辺の事情には興味がない。史実がどうであったにせよ、縦横家蘇秦は実在し、『鬼谷子』が残されたんだから、それがどんなだったかを読み解いた方が面白い。そして蘇秦は「誰?」って感じだろうけど、「鶏口となるも牛後となることなかれ」を最初にツイートした奴だ。ほら、これなんかも「史実がどうであったにせよ~」と、同じ構造だろ?

中国戦国時代、言葉一つで天下を自由自在に動かした遊説家たちの東洋式弁論術の全貌がここに明かされる。

一歩道を誤れば命を狙われる乱世の中、諸国を渡り歩いた遊説家たちのリアリズムと叡智が結実した一冊。恐ろしく実戦的。中国古典の最終兵器『鬼谷子』、ここに解禁。