BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『400のプロジェクトを同時に進める - 佐藤オオキのスピード仕事術』 佐藤オオキ

『400のプロジェクトを同時に進める - 佐藤オオキのスピード仕事術』 佐藤オオキ

バルミューダやプラスマイナスゼロ、無印良品を絶賛する奴でも、佐藤オオキのnendoになると、いささか歯切れが悪い。評価しないわけではないが、決して絶賛することはない。それでいて佐藤のところには、大手クライアントからの仕事が絶えない。なぜなのか。

おそらく世間はまだ、IBMのシェフ・ワトソンのようにデザインしてくる奴を、どう評したらいいのか分からないんだろうな。俺からすると佐藤の仕事は実に分かりやすい。本人が自覚してるかどうかは別として、建築家のクリストファー・アレグザンダーが提唱したパタンランゲージみたいなネットワーク(デザイン版の)がアタマの中にあり、それを高速でスキャンして出力してる。

そしてnendoの特徴は、フットワークの軽さとスピード感、こだわりのなさだろうが、それが実現できてるのは、このデザイン仕様のパタランネットを速攻Runできるからで、アタマの古いデザイナーから相手にされない理由は、nendoの持つ三つの特徴の利点が、うまく理解できないからだろうな。作家性の薄さとは別に。

ところで本のタイトルには「400のプロジェクトを同時に進める!」と誇らしげにあるが、俺からするとアホとしか思えない。そんなにプロジェクトを抱えなくても会社は回るだろ。もっと遊べよ、佐藤。だからお前は友達が少ないんだって(※事務所スタッフによれば三人)。

スピードを重視すると、不思議なほど仕事の質が高まります。しかも予定よりも早く仕事を仕上げると関係者にも喜んでいただけるため、依頼がどんどん増えてきます。すると手がける仕事の幅が広がっていくので、ますます経験値が上がっていきます。

400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術

400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術