BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『独裁者の子どもたち - スターリン、毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル

『独裁者の子どもたち - スターリン毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル

独裁者の子供は、生まれたときから何かと苦労が多そうだ。周囲からの媚びへつらい、恨み辛みを浴びつつ、時に親戚相手に殺し合いをやったり、兄弟同士で裏切りを重ねたりしなければならない。まともなメンタルを保つだけでも精一杯な気がする。

この本は、そんな独裁者の子供たちの人生を見つめたものだ。また、我が子に接する独裁者の横顔も描かれる。書こうと思って、すぐ書けるタイプの本ではない。取材に際しては、嫌がらせや脅迫もあったろう。相当な労作のはずで、著者の両名には敬意を表したい。色あせることのない貴重な一冊。

恐怖で世界を支配した独裁者の子どもたちは、どのように生きたのか。

親族間の権力闘争や抗えない運命を、関係者の生々しい肉声も交えながら描く。

独裁者の子どもたち: スターリン、毛沢東からムバーラクまで

独裁者の子どもたち: スターリン、毛沢東からムバーラクまで