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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ

マジかよ、アメリカの大学生って飢えたオオカミみたいな連中ばかりじゃなかったのか。だが言われてみれば、NHKの白熱教室シリーズでも、「公民館の無料講演会に来ました」みたいな顔つきで座ってる学生を目にすることがある。ああいった奴が大学に多いってこと?

あるいは学費の高騰で、大学生たちが借金漬けにされ、その返済のため賃金の高い会社を志望し、それが人生の目的になってしまうケースが増えたとか? 確かに以前から、学生ローンに苦しむアメリカ人は数多く、リーマンショックの引き金を引いたのは、そいつらだとする説もあるほどだ(悲惨な借金生活を送っていたため、高額報酬に目がくらみ、ムチャな金融商品を開発、販売したという)。

いずれにしても気になるな。アメリカのベスト・アンド・ブライテストな奴らは、大学で育ったものとばかり思っていたのに。それが機能していないとなると、「優秀な人材は勝手に育つので、べつに大学とかいらない」って話にもなる。まあ単純に大学に行く人間が増えただけって話かもしれないが。それに羊がいないと、オオカミも食べ物に困る。

一様に賢く、才能に溢れ、意欲的なアメリカのエリート学生たち。しかしその一方で彼らは、小心で常に不安を抱え、真の意味での知的欲求は乏しく、自分の将来を自分で決めることもできない。

元イェール大教授の著者は、大学教育のあるべき姿を問い、若者たちを真の学びへと誘う。

優秀なる羊たち: 米国エリート教育の失敗に学ぶ

優秀なる羊たち: 米国エリート教育の失敗に学ぶ