『評伝レヴィナス - 生と痕跡』サロモン・マルカ
『評伝レヴィナス - 生と痕跡』サロモン・マルカ
エマニュエル・レヴィナスには、近づいたことがない。本人はユダヤ思想とガチで向き合い、かつ第二次大戦を通しユダヤ人としての生を強烈に体験してて、つまり土台の部分で、俺には理解しえないところがデカすぎる。レヴィナスの文字だけ追っても、たぶん何も分からない。だから今まで接近したことはないし、現状では接点が芽生えそうなところも見当たらない。
ただし、すでにレヴィナスと、のっぴきならぬ関係にあり、それでいて隔靴掻痒感を味わってる奴(そんな奴は滅多にいないだろうが)には、本書は大きな手助けとなるだろう。背景が分かれば、すらすら読める場合もあるからな。著書はレヴィナスに学んだサロモン・マルカ。以前に『レヴィナスを読む』という本も出してる。評伝の書き手として文句のつけようがないだろう。
- 作者: サロモン・マルカ,Salomon Malka,斎藤慶典,渡名喜庸哲,小手川正二郎
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2016/02/06
- メディア: 単行本
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