『2020年の大学入試問題』石川一郎
『2020年の大学入試問題』石川一郎
ほぼ大学全入時代となって久しく、入試は大きく変わらなければならないが、その意味を世間はまるで分かっていない。これまでのように産学官に優秀な人材を送り込むため、その見極めとしての入試は、さほど変わらなくてよい。小手先の変更で大丈夫だ。例えば、この本で紹介されてるような。
その逆についてが問題で、とりあえず大学を出たものの劣悪な労働環境に放り込まれたり、非正規ワープアから抜け出せなかったりする連中をいかにケアするか。もっと言えば、大学卒業後、あまりにひどい賃金と待遇から社会に憎悪を抱き、積極的にオレオレ詐欺などの犯罪に関与したり、無差別テロを起こしそうな者を、事前に弾くための入試が必要になってくる。偏差値の高さはあまり関係ない。
本来ならば、そういった人間が生産されないような労働環境を、社会全体で整えることが必要だが、まず今後も実現されないだろうから、「XXX大学OBが詐欺グループの主犯として逮捕されました」、「港区でテロを起こした犯人はXXX大卒です」といったニュースは、これから増加すると予想される。
そして大学全入時代で少子化が続く中、こういったニュースに出た大学は大打撃を受ける。だから俺としては、それを防ぐための大学入試とやらが考案されなくてはならないと思うわけだが、今のところ出現の兆しはない。
激変する大学入試の傾向と対策と合格への学び方を「アクティブ・ラーニング」の実践者が徹底解説。
- 作者: 石川一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/17
- メディア: 新書
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