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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『日本語を作った男 - 上田万年とその時代』山口謠司

『日本語を作った男 - 上田万年とその時代』山口謠司

知ってるようで知らないことは、案外多い。たとえば、「標準語のクリエイターは誰?」と質問されて、すぐに答えられる奴は少ないだろう。俺も知らなかった。そもそも標準語は、誰かがリーダーシップを発揮して作られたものではなく、新聞社や放送局から何となく生まれた産物だと思ってた。答えは上田萬年。初耳。弟子には『広辞苑』の編者として有名な新村出がいる。どうも本物クサい。

本書は、上田とその時代を描くことで、現代につづく日本語がどのようにして出来ていったのか追う。著者の山口謠司は、これまでにも『「アイウエオ」と「いろは」の発明』、『ん - 日本語最後の謎に挑む』、『日本語にとってカタカナとは何か』など多数の日本語本を出している。この本の書き手として頼もしい。装丁は平野甲賀。ひさしぶりに見た気がする。

明治維新を迎え「江戸」が「東京」となった後も、それを「とうきやう」とか「とうけい」と様々に呼ぶ人がいた。明治にはまだ「日本語」はなかったのである。

標準語の制定や仮名遣いの統一などを通じて「近代日本語」の成立にきわめて大きな役割を果たした国語学者上田万年とその時代を描く。

日本語を作った男 上田万年とその時代

日本語を作った男 上田万年とその時代