『トランペットを吹き鳴らせ！セルビア＆マケドニアジプシー音楽修行記』吉開裕子

痛快なタイトルと同じように、生き方も痛快な吉開裕子のトランペット放浪記。いいなー、この体当たりな感じ！　どれだけ著者がジプシー音楽に魅了されてるかが分かる。好きでまっしぐらな雰囲気が、もうメチャクチャ好印象。

さて、ジプシー音楽に限らず、日本やネット上には、情報こそ溢れているものの、本当に自分が求めているものが、案外みつからなかったりする。それっぽいフェイクなものや、あるいは他人の目を通してヘンな判定が下されたものとかは見つかっても（例えば食べログなどによくある、すさまじく的外れなコメントみたいなヤツ）。

そんな場合、もっとも確実にリアルなものに接したければ、とにかく行ってみて、自分で体験するのがベスト。百聞は一見にしかず。この本で吉開が示してるようなアプローチが一番いい。求めよ、さらば与えられん。ちょうど著者の苗字みたいなもんだ。その手で吉を開け！

調べても調べても、日本で本当のジプシー音楽をトランペットでやっている人が見つけられなかった。実際に本当のジプシー音楽を演奏している人、というか知っていそうな人が探し当てられなかった。
知らないことについて考えても間違った方向に行きそうだし、時間の無駄な気がした。だから、とりあえず現地に行ってから考えようと思ったのだ。