BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』野口健司

『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』野口健

「おかしいな? 確率論だけでカジノには勝てないはずだが……」と思ったら、この書き手の野口はカウンティングをやってるようだ。あー、はい。全部一瞬で納得できた。そりゃ確率論で勝てるし、数百のカジノから出禁を食らうし、そのため世界50ヶ国のカジノを転々としないと、やっていけなくなるわな。

しかし、カウンティングやってることを公言しても大丈夫なのか? 8億あるなら黙っておとなしく生活してたらいいのに。なぜ出版までして無駄なリスクを負うんだろう。ギャンブラーとは思えない。いや、そもそもギャンブラーに分類していいのか怪しいな。ギャンブルの本は、だいたい怪しいものだが、その意味で言うとこの本は、二重の意味で怪しい。

ビンを集めて酒屋で換金した小学生の頃から「稼ぎ方」は変わっていない。「運に任せる」なんてもってのほか。確率論をとことんまで突き詰めて8億を稼ぎ出した、まだ40代の一人の男。