『小松菜奈1st写真集 - Trabzon』小松菜奈／後藤啓太

『小松菜奈1st写真集「Trabzon」』小松菜奈／後藤啓太

今月の写真集でもっとも目を惹いたのが、この一冊だった。しかし、レビューを読む限りさんざんな評価で、どうやら表紙が奇跡の一枚の模様。何てこった。めちゃくちゃ雰囲気あるのに、他の写真はイマイチってことか。

だが、レビュアーが口々に「表紙はいいのに、他が……」と言ってるのを見ると、「仮に表紙が『奇跡の一枚』だったとして、『奇跡の一枚』って、そんなに軽かったか？」という疑問がふつふつと湧いてくる。よく言う橋本環奈の「奇跡の一枚」に価格をつけるとしたら、それこそプライスレスで、ほぼ青天井に近い。出版社はこの写真集の酷評に肩を落とすだろうが、そんなヒマがあったら、表紙を讃える声を拾い上げてみてはどうだろう。

たとえば、表紙を大判プリント販売の導線に変換しちまえばいい。この表紙をB1ポスターにして、オンデマンドで一枚一万円くらいで売ってみたらどうだ。けっこう売れると思う。「奇跡の一枚」がポスターになって一万円だったら、むしろ安い気もするからな。写真集の売上は、出版不況もあって苦しいだろうが、オンデマンド販売の撒き餌と考えて、こっち方面に舵を切れば、活路は見いだせそう。