『プラハの墓地』ウンベルト・エーコ
『プラハの墓地』ウンベルト・エーコ
「ちょっと待って。ウンベルト・エーコの本って、それノンフィクションじゃなくない?」というツッコミがありそうだが、まったくその通り。小説です。だがエーコの小説は、そこいらの半端なノンフィクションよりか、実はすごくノンフィクション。
それにほら、今作は語り手のシモーネ・シモニーニ以外、ほぼ全員が実在してた人物なんだから、ノンフィクションということにしても問題なさそう。あと、エーコひさしぶりのガチな小説だし、俺のカンによれば、『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』の流れを汲んだ、傑作の予感がする。
知の巨人、ウンベルト・エーコ待望の最新刊。
現在では「偽書」とされる『シオン賢者の議定書』。この文書をめぐる、文書偽造家にして稀代の美食家シモーネ・シモニーニの回想録の形をとった本作は、彼以外の登場人物のはほとんどが実在の人物という、19世紀ヨーロッパを舞台に繰り広げられる見事な悪漢小説。
- 作者: ウンベルト・エーコ,橋本勝雄
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2016/02/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (11件) を見る