『正義の境界』オノラ・オニール
『正義の境界』オノラ・オニール
ジョン・ロールズに学んだオノラ・オニールの初邦訳。オニールについては、TEDのこの動画で見たことがあるかもしれない。けっこうな高齢。
さて、オニールいわく「国境はもはや正当な正義の境界として見なしえない」。こう言われて逆に、国境を(政治的な)正義の境界線と見なす視点があったことに気づかされた。いや、現代ではあまりにも国境の意味が薄れすぎていて、国境と正義をリンクさせる視点そのものを持ててなかった。なるほどなるほど、それでグローバルな正義の構想へとシフトしてくわけだ。いいじゃん。タイトルにも納得。
正義の「哲学的な境界」と「政治的な境界」に関わる問題を、カントの政治哲学を用いて探求する。ポスト・ロールズ時代のカント主義哲学は、われわれの「正義」に何をもたらすのか? そして、ロールズのなしえなかった義務論にもとづくグローバルな正義の構想とは。
- 作者: オノラ・オニール,神島裕子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 単行本
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