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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『うるうのもり』小林賢太郎

『うるうのもり』小林賢太郎

ラーメンズ小林賢太郎といえば、ほころびを見つけるのがウマい。あるいは、ほころばせるのがウマい。すなわち、理詰めで話を作っていって、それが破綻するところを上手に見せてくれる。稀有な才能。そのセンスは絵本でも健在だ。

「うるう年」があれば、「うるう秒」もあるわけで、それなら「うるう人」が存在してもおかしくない(錯乱)。言葉の上では何も間違っていなくて正しい。だがやはり間違っている。その崩れたバランスを保ちつつ、物語はスピンする。しかし崩れたバランスは、最終的には崩れた状態を保っていられず、やがてスピンは終わってしまう。その均衡に美を、ないしは崩れる姿に哀しみを見るだろう。

うるう年のうるう日のように、「余りの1」が世界のバランスをとることがある。人間もそう。

世界でたったひとりの余った人間「うるうびと」。彼が少年と友達になれなかった本当の理由とは。おかしくて、美しくて、少し悲しい、ある友情の物語。

うるうのもり

うるうのもり

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