『手話を生きる - 少数言語が多数派日本語と出会うところで』斉藤道雄
『手話を生きる - 少数言語が多数派日本語と出会うところで』斉藤道雄
著者の斎藤道雄は、ジャーナリストで、ドキュメンタリー番組プロデュースを多く手掛けてきた人物。『治りませんように - べてるの家のいま』で講談社ノンフィクション賞を受賞した実力派でもある。それがなぜか2008年から明晴学園(特別支援学校)で校長をすることになる。取材対象にのめりこんだ結果だろうとは思うが、すごいキャリアだ。
ちなみに国内の手話には、日本手話と日本語対応手話の二種類があり、斎藤が校長をしている明晴学園では、日本手話と書記言語による授業が行われている。恥ずかしながら、手話にも種類があることを知らなかった。
この辺の事情を知っておくと、日本語と同等に機能する手話(という言語)があるなら、聞こえないことは障害ではなく、ただ少数派であるだけで、サブタイトルが言わんとしていることが分かり、内容もスッと入ってくるだろう。
日本のろう者・ろう児の母語である「日本手話」で授業を行い、手話と日本語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日本初にして唯一の学校、明晴学園。
「手話を生きる」子どもたちのことばをとおして、過去から未来へ現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。
- 作者: 斉藤道雄
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2016/02/20
- メディア: 単行本
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