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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子

カストロフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子

昨日はオバマ大統領が、キューバの地を踏んだ歴史的な一日だった。キューバ危機から実に半世紀以上が経過して、ようやく両国の歩み寄りが本格化し、何ともめでたいことである。さて、キューバと言えば、旧ソ連への接近がしばしば語られるが、この本はフランコ時代(!)のスペインとの関係に注目したものだ。珍しい。というか、カストロフランコの繋がりは初耳だ。

フランコに抱くイメージと、カストロのそれは、だいぶ離れていて、一見するとリンクするものがない。しかし、一見して無関係そうなところに発見される関係性ほど、面白いものはない。著者の細田は、スペインの日本大使館に勤務した経歴を持ち、『戦後スペインと国際安全保障』、『カザルスと国際政治 - カタルーニャの大地から世界へ』などスペイン関連の書籍も出している。なるほど。それで細田は、カストロフランコが、ともにスペインはガリシア地方にルーツを持つことを手始めに、両者の接近を読み解こうとしたのか。ちなみに詳しい書評はこのブログ記事が参考になる。どうやらアタリのようだ。

社会主義革命を成し遂げたキューバの英雄カストロスペイン人民戦線を打倒し長く独裁体制を敷いたフランコ。一見したところ正反対の両者には密かな、そして強いつながりがあった。

強固な反米意識と愛国心、そしてスペイン・ガリシア地方にルーツを持つこの二人に注目してこそ、初めてキューバ革命以降のアメリカ・キューバ・スペイン間の複雑な外交関係が読み解けるのだ。

カストロとフランコ: 冷戦期外交の舞台裏 (ちくま新書)

カストロとフランコ: 冷戦期外交の舞台裏 (ちくま新書)