BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

生活

『何かのためではない、特別なこと』平川克美

『何かのためではない、特別なこと』平川克美 あーもう、紹介文からしてカッコいいし、その上でタイトルを読むとさらに味わい深い。本書は『復路の哲学』の続編的な位置づけになるのかな。さて、例えばダラダラとネットに接続してるとき、「即効性があり、有…

『俺たち妊活部 - 「パパになりたい!」男たち101人の本音』村橋ゴロー

『俺たち妊活部 - 「パパになりたい!」男たち101人の本音』村橋ゴロー 見ての通り妊活本である。妊活とは妊娠活動の略で、妊娠を目的とした行為および対策に取り組む活動のことであり、笑ってはいけない。当事者たちにとって不妊は深刻な問題で、しばしば不…

『進化系! 筋肉男子の栄養学』竹並恵里

『進化系! 筋肉男子の栄養学』竹並恵里 筋肉男子といえば、ササミを連想してしまう。そして、ササミといえば鶏で、マッチョすぎる男子はシャモを思い起こさせる。軍鶏は、ちょっとニワトリとしてやり過ぎな感じで、「ブロイラーをやめたいのは分かるが、そ…

『いのちをむすぶ』佐藤初女

『いのちをむすぶ』佐藤初女 先月1日に亡くなった佐藤初女、最後の書籍。ダライ・ラマ法王と映画に出演したり、「森のイスキア」を主催したりで、東北のマザーとも呼ばれていた。94歳まで生きたので大往生だと思う。合掌。ただ手料理をふるまうだけで、人を…

『話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ』小川仁志

『話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ』小川仁志 ちょっとした雑談からでも、その人の教養なり、性格なり、センスなりが分かってしまう。そして、たしかに哲学のないヤツの話は、決まってつまらない。しかし哲学の知識があれば、あるいは哲学の小ネ…

『かんたん、おいしい! スティックおにぎり』八木佳奈

『かんたん、おいしい! スティックおにぎり』八木佳奈 このところ話題になってるスティックおにぎりの本。おにぎりを棒状にしたのでは、それはもうおにぎりではない(おにぎらずとは別の意味で)と思うが、その辺を気にしてはならない。何しろスティック型…

『それでも、海へ - 陸前高田に生きる』安田菜津紀

『それでも、海へ - 陸前高田に生きる』安田菜津紀 前作『ファインダー越しの3.11』につづく、フォトジャーナリスト安田菜津紀による震災の記録。津波による被害から、人々が静かに力強く立ち上がろうとする姿を、海に生きる漁師を通すことによってシンボリ…

『そうだったのか、乗りかえ駅』西森聡

『そうだったのか、乗りかえ駅』西森聡 何かと不便することの多い乗り換え駅。本書を手にすれば、その駅の背後にあるエピソードを知ることができるので、それなりに納得できるようになるはずだ。相変わらず乗りかえで不便だったとしても。知識にはこういう効…

『買わないおしゃれ - パターンから考える無駄にならないワードローブの選び方』Mパターン研究所

『買わないおしゃれ - パターンから考える無駄にならないワードローブの選び方』Mパターン研究所 美しいシルエットの服を仕立てられるパターンとその説明書を販売している、Mパターン研究所の本。そういうわけで、タイトルの指すパターンとは、いわゆる規則…

『今までにないスイーツの発想と組み立て - 素材を活かした組み合わせのアイデアとテクニック』吉田菊次郎/中西昭生

『今までにないスイーツの発想と組み立て - 素材を活かした組み合わせのアイデアとテクニック』吉田菊次郎/中西昭生 IBMがシェフ・ワトソンを作るよりもずっと以前、スペイン伝説のレストラン「エル・ブジ(El Bulli)」では、鬼才フェラン・アドリアが極め…

『グッド・フライト、グッド・ナイト - パイロットが誘う最高の空旅』マーク・ヴァンホーナッカー

『グッド・フライト、グッド・ナイト - パイロットが誘う最高の空旅』マーク・ヴァンホーナッカー エコノミスト誌の年間ベスト・ブックに選ばれている本書。現役パイロットである著者が、空の魅力を語り倒す。……告白すると、俺自身は空の旅をあまり楽しめず…

『自転車で見た三陸大津波 - 防潮堤をたどる旅』武内孝夫

『自転車で見た三陸大津波 - 防潮堤をたどる旅』武内孝夫 三陸大津波で被害を受けた地域を自転車で走った記録。青森は八戸市から宮城の仙台市まで。東日本大震災の一部エリアなのが疑問に思うだろうが、地図を見れば(あっ……)と気づくだろう。そう、「防潮…

『工学部ヒラノ教授の介護日誌』今野浩

『工学部ヒラノ教授の介護日誌』今野浩 人気シリーズ「工学部ヒラノ教授」最新刊は、テーマが介護。ヒラノ教授シリーズを好きな人が、これまでと同じような楽しさを期待して読むと、あまりの内容の重さに絶句しそうな予感が、じんわり紹介文から伝わってくる…

『ドイツ修道院のハーブ料理 - 中世の聖女、ヒルデガルトの薬草学をひもとく』野田浩資

『ドイツ修道院のハーブ料理 - 中世の聖女、ヒルデガルトの薬草学をひもとく』野田浩資 「ドイツのハーブ料理が薬草学とリンクしてるなら、それはさながら漢方ならぬ独方になるのかな?」と思って、この本の背景をいろいろ調べてみたら、著者は元ボクサーで…

『インスタント リア充 - 人生に「いいね!」をつける21の方法』地主恵亮

『インスタント リア充 - 人生に「いいね!」をつける21の方法』地主恵亮 つい先日、太宰治の次女で作家の津島佑子が亡くなった。R.I.P.さて、太宰と言えば、私小説だ(もちろん作風はこれに限らないが、一般的なイメージとして)。そう、自身のプライバシー…

『akiico hair diary 毎日かわいいヘアアレンジ』田中亜希子

『akiico hair diary 毎日かわいいヘアアレンジ』田中亜希子 女たちのヘアアレンジとは何か? それは断じて間違い探しではない。「今日のその髪かわいいね!」と男たちが気軽に言えるようにするための心遣いなのだ。よって、アレンジ変えてきたのに、それを…

『みんなの家事ブック - 本多さおりの「家事がしやすい」部屋探訪』本多さおり

『みんなの家事ブック - 本多さおりの「家事がしやすい」部屋探訪』本多さおり 他人の部屋を訪ねるのは面白い。刑事気分を味わえる。住んでる奴の性格や価値観、暮らしぶりを、そこにあるモノから読み解いていく。俺「なるほど、遮光カーテンか。丈が長いの…

『並べて、焼けるの待つだけほったらかしオーブンレシピ』新田亜素美

『並べて、焼けるの待つだけほったらかしオーブンレシピ』新田亜素美 あまりにも気取らないタイトルだ。体裁も何もあったもんじゃない。口に出してみるとよく分かる。 「並べて、焼けるの待つだけ、ほったらかし」この手の料理本は、どうやら昨今のトレンド…

『松平家のおかたづけ』松平洋史子

『松平家のおかたづけ』松平洋史子 近藤麻理恵の『人生がときめく片づけの魔法』は、英語版(The Life-Changing Magic of Tidying Up)が出され、ついに海外でのセールスが100万部を突破した。また中国でも「断捨離(断舍离)」が、おととし流行語となった。…

『45歳からのプラチナ女子宣言!! - 恋も仕事も最高に輝く46の習慣』 須野田珠美

『45歳からのプラチナ女子宣言!! 恋も仕事も最高に輝く46の習慣』須野田珠美 孔子は『論語』の為政編には、こう書いてある。 「四十而不惑、 五十而知天命(40歳にして惑わず、50歳にして天命を知る)」また、織田信長が好んだ幸若舞の敦盛。その中でも有名…

『チョコレートの手引』蕪木祐介

『チョコレートの手引』蕪木祐介 かつては聖ウァレンティヌスが引っ張り出され、それっぽい説明がなされていたバレンタインデー。今や告白イベントとしての側面も薄くなり、単にスイーツを食べる日として定着した。感覚としては正月にモチを食べるのに近い。…

『育てにくい男の子 ママのせいではありません - イライラがニコニコにかわる7つのコツ』おおた としまさ

『育てにくい男の子 ママのせいではありません - イライラがニコニコにかわる7つのコツ』おおた としまさ 「女の子の育て方」って育児本は、それほど見ないが、反対に「男の子の育て方」本は数多い。やっぱ男の子への接し方に戸惑う母親が少なくないんだろう…

『フレーバー茶で暮らしを変える - フランス人の日本茶革命!?』 ステファン・ダントン

『フレーバー茶で暮らしを変える - フランス人の日本茶革命!?』 ステファン・ダントン 日本食の特徴のひとつは魔改造にあり、その魔改造によって豊かな食文化を楽しめてるというのに(ナポリタンとかな!)、どうしてだか海外で日本食が魔改造されると、烈…

『果樹 高品質多収の樹形とせん定 - 光合成を高める枝づくり・葉づくり』 高橋国昭

『果樹 高品質多収の樹形とせん定 - 光合成を高める枝づくり・葉づくり』高橋国昭 世に理論物理学者がいるのなら、理論農学者がいても不思議ではない。いや、むしろ存在すべきだ。そして、これはそういった類いの本だ。それでいて実践的でもある。以下の紹介…

『ぼくの道具』 石川直樹

『ぼくの道具』石川直樹 写真家としては土門拳賞を受賞し、ノンフィクション作家としては開高健ノンフィクション賞を受賞している石川。その上、七大陸最高峰登頂まで果たしている(※当時世界最年少記録)。神はこいつに才能を与えすぎだろ。さてこの本は、K…

『見えない私の生活術』 新納季温子

『見えない私の生活術』新納季温子 何気にすごい本だと思う。「視覚障害者にどう接するか?」みたいなのは多いが、「どう生活しているか?」にフォーカスしたものは、俺は読んだことない。でも本当はそこがスタート地点であるべきで、そうか、目が見えてない…

『はじめてのファランジリング』 内田香子/久永めぐみ/中村由香ほか

『はじめてのファランジリング』内田香子/久永めぐみ/中村由香ほか いかにも役に立たなそうな本を紹介したくなった。ファランジリングの作り方だ。どうだ、何の役にも立ちそうにないぞ。 指の第一関節や第二関節にはめるファランジリング。指もきれいに見…

『自由に生きる』 プラユキ・ナラテボー

『自由に生きる』プラユキ・ナラテボー 埼玉出身のプラユキ・ナラテボー新刊。ヘンな経歴のわりに、本人はいたって邪気のない顔をしてるので、あちこちで頭をぶつけながら苦労したんだろうな。自由をつかむのは楽じゃない。 タイの森林僧院と日本を往復して…

『ワインは楽しい!』オフェリー・ネマン

『ワインは楽しい!』オフェリー・ネマン フランスでワイン本がベストセラーになるのは、不思議な現象にも思える。しかしワインを芋焼酎だと考えると腑に落ちるはずだ。日本人だって芋焼酎にそんなに詳しいわけではない。ボルドーとドンペリを、本格焼酎と森…

『我が家の絶品ママカレー』田中優子

『我が家の絶品ママカレー』田中優子 中途半端な外食を重ねるうちに気づく。「あれ、自分ちのメシのが全然ウマくね?」。いわゆる青い鳥現象である。美味い料理は自宅にあった。カレーもそのひとつ。妙にクセのある専門店のカレーや、逆にまるでパンチのない…