BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『話しかけなくていい! 会話術』木村隆志

『話しかけなくていい! 会話術』木村隆志

「話しかけることで会話は始まる」と思っていたので、タイトルには困惑した。しかし言われてみれば、「話しかけられて始まる会話」も少なくないし、それを自らコントロールできているとしたら、ひとつの立派な会話術だ。そう、この題名は単に奇をてらっただけのものではない。

通常の会話術とは、真逆の方向からコミュニケーションを始めようとする本書の手法は、シンプルな着想ながら、たしかに画期的だ。少なくとも俺は、全然そんなこと考えたことなかった。だが、街角でナンパ待ちしてる女子たちにとっては、きわめて普通の方法かもしれない。また一方で、「街を歩いてるとナンパがウザくて」と悩む奴もいるので、そういった場合には「話しかけられない会話術」といったものを会得する必要があるんだろう(それを会話術と呼ぶかはさておき)。こうしてみると、意外と会話も奥が深いな。

ちなみに俺は、不思議と道をよく尋ねられる。地元でも移動先でも、老若男女を問わず。話しかけてほしい雰囲気を出しているつもりはないので、これはその何だ、俺の見えざる人徳に人々が気づいてしまうからだろうな!

本書は、いかに「話しかけてもらうか」に焦点を絞り、その具体的テクニック、相手の話が弾むようなリアクションの取り方、好感度を上げる小技などを紹介する。「話がうまい人」になる必要はない。

無言でも、ひと言でも、人に好かれるための画期的コミュニケーション術。

話しかけなくていい! 会話術

話しかけなくていい! 会話術