BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

国際

『外為決済とCLS銀行』中島真志

『外為決済とCLS銀行』中島真志 『決済システムのすべて』、『証券決済システムのすべて』、『SWIFTのすべて』で知られる中島真志の新刊は、CLS銀行モノ。ちなみにヘルシュタット・リスクを軽減するためG20の合意に基づいて設立されたのが、CLS(Continuous …

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子 昨日はオバマ大統領が、キューバの地を踏んだ歴史的な一日だった。キューバ危機から実に半世紀以上が経過して、ようやく両国の歩み寄りが本格化し、何ともめでたいことである。さて、キューバと言えば…

『トンブクトゥ - 交界都市の歴史と現在』応地利明

『トンブクトゥ - 交界都市の歴史と現在』応地利明 イブン・バットゥータにより、「黄金の都」として知られるようになったトンブクトゥ。かつてはサハラ交易で栄え、アフリカの交易上重要なポジションを占めた。今では世界遺産に登録されてるが、なかなか日…

『支配する人道主義 - 植民地統治から平和構築まで』五十嵐元道

『支配する人道主義 - 植民地統治から平和構築まで』五十嵐元道 本当のおもてなしは、目に見えない。もてなされる側が、もてなす側の気遣いを察知してしまい、それを負担に思って気苦労を感じてしまっては、それはもう「おもてなし」とは言えない。よって、…

『世界最強の女帝 - メルケルの謎』佐藤伸行

『世界最強の女帝 - メルケルの謎』佐藤伸行 ドイツ初の女性首相(3期目)アンゲラ・メルケルに迫ろうとした本。まったく知らなかったが、もともとは理論物理学の研究者だったのか。しかも夫はフンボルト大学ベルリンで量子化学の教授。そこらのリケジョとは…

『国際バカロレアの数学 - 世界標準の高校数学とは』馬場博史

『国際バカロレアの数学 - 世界標準の高校数学とは』馬場博史 「バカロレアは次元が低すぎる」という批判は、批判のようでいて、批判になっていないと思う。あの次元の低さは、「未成年は勉強以外のことにもリソースをしっかり割くべき」、「それほど学力の…

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二 住基カード(2015年12月で発行終了)の時代から、未来型国家として注目されていたエストニア。この記事なんかは、2007年のものだ。「住基カードの普及策はエストニアの…

『インド人の「力」』山下博司

『インド人の「力」』山下博司 このところインド関係の書籍を多く目にする。やはり中国の次はインドなんだろう。著者の山下は、長年インドに住み、インド哲学、思想書をいくつも出しており、この方面の書き手として信頼できる。その山下が注目するインド人の…

『技術流出の構図 - エンジニアたちは世界へとどう動いたか』藤原綾乃

『技術流出の構図 - エンジニアたちは世界へとどう動いたか』藤原綾乃 海外への頭脳流出は、著者も指摘しているようにセンセーショナルに扱われがちで、その一方では落ち着いた議論や検証が乏しい。本書では、日本企業から東アジア企業へ移った技術者の動き…

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代 NHK Eテレの「カラフル!」って番組が大好きで、いつも欠かさず見てる。まったく他愛もない15分番組でありつつ、極めて良質なドキュメンタリー。さて、この偕成社から出てる「世界のともだち」シリーズ…

『中国第二の大陸 アフリカ - 一〇〇万の移民が築く新たな帝国』ハワード・W・フレンチ

『中国第二の大陸 アフリカ - 一〇〇万の移民が築く新たな帝国』ハワード・W・フレンチ 近年の中国は、国ぐるみでアフリカ資源国への進出を推しすすめてるので、そういった本かと思ったが、どうやら違うみたいだ。うーん、残念。なぜ資源獲得競争で中国が存…

『ルポ 雇用なしで生きる - スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』工藤律子

『ルポ 雇用なしで生きる - スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』工藤律子 衰退大国スペインからの報告。スペインの衰退は、リーマンショックよりずっと以前、だいたい300年とか400年くらい前に始まってて、いまだに立て直される兆しがない。もう開き…

『グローバル・ベーシック・インカム入門』クラウディア・ハーマンほか

『グローバル・ベーシック・インカム入門 - 世界を変える「ひとりだち」と「ささえあい」の仕組み』クラウディア・ハーマン/ディルク・ハーマン/ヘルベルト・ヤウフほか ベーシック・インカムと言えば、そこそこの先進国が、実験的に行っている政策だと思…

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則 TPPは諸刃の剣で、うまく利用できたら有益だし、反対の場合には殺される。関税の段階的な撤廃、その影響はだいたい読める。それに伴う国益の瑕疵を、再規制で取り戻せないとする、ラチェット規定…

『世界を動かす少数民族』高やすはる

『世界を動かす少数民族』高やすはる 世界を動かすような少数民族が40も存在するか? 盛ってる気がするぞ。しかし、いくらか誇張があるにせよ、そういった少数民族の話が聞けるんなら耳を傾けよう。だいたいにおいて少数民族は、世界に動かされる側だからな…

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー 国内のビジネス書だと、アップル、マッキンゼー、ディズニーらへんが神通力を持ってるようで、それにあやかったようなタイトルをよく見かける。『アップル イノベーションの神…

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド 「エマニュエル・トッドの新刊ね。また新書が出てたんだ」と、ふつうに思ってしまうが、よくよく考えれば、あまりふつうのことではない。トッドの母国でもペーパーバックは出ているも…

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ マジかよ、アメリカの大学生って飢えたオオカミみたいな連中ばかりじゃなかったのか。だが言われてみれば、NHKの白熱教室シリーズでも、「公民館の無料講演会に来ました」みた…

『韓流スターと兵役 - あの人は軍隊でどう生きるのか 』 康熙奉

『韓流スターと兵役 - あの人は軍隊でどう生きるのか 』康 熙奉 ファン目線で兵役を見つめる健全な本。そういうイベントとしての兵役と言った方がいいのか? 腰帯の情報が完全にファンブック。ターゲットにしている読み手と、その読み手が求めてる情報を、ち…

『独裁者の子どもたち - スターリン、毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル

『独裁者の子どもたち - スターリン、毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル 独裁者の子供は、生まれたときから何かと苦労が多そうだ。周囲からの媚びへつらい、恨み辛みを浴びつつ、時に親戚相手に殺し合いをやった…

『990円のジーンズがつくられるのはなぜ? - ファストファッションの工場で起こっていること』長田華子

『990円のジーンズがつくられるのはなぜ? - ファストファッションの工場で起こっていること』長田華子 ふだんの生活でバングラデシュを意識することはない。しかし家に一着くらいは、バングラデシュ製の服があるはずだ。この本は、そのバングラデシュにおけ…

『テキスト アンソニー会計学』 ロバート・アンソニー/レスリー・ブライトナー

『テキスト アンソニー会計学』 ロバート・アンソニー/レスリー・ブライトナー 著者のロバート・アンソニー(※英Wikipedia)は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授を40年以上にわたって務めた管理会計の大家。本人の名前が学名に入っちゃってるんだから…

『曝された生』アドリアナ・ペトリーナ

『曝された生』アドリアナ・ペトリーナ チェルノブイリ本はたくさん出てるが、これは人類学的アプローチを仕掛けてるレアな一冊。著者はペンシルベニア大学で人類学を教えているアドリアナ・ペトリーナ。2006年にニュー・ミレニアム賞(New Millenium Award…

『チェチェン - 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』富樫耕介

『チェチェン - 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』富樫耕介 飽きもせず世界各地で紛争が起きてるので、そろそろ誰か「紛争のデザインパターン」みたいな本を書いてくれないか。俺が読みたい。「和平のアンチパターン」でもいい。これはチェチェ…

『スウェーデン・モデル - グローバリゼーション・揺らぎ・挑戦』 岡澤憲芙/斉藤弥生

『スウェーデン・モデル - グローバリゼーション・揺らぎ・挑戦』岡澤憲芙/斉藤弥生 言われてみれば、スウェーデンは実験国家だ。そのわりに実験国家にありがちな、セカセカしたところがないのは、北国ならではの思慮深さのあらわれか。 二〇〇年間戦争を起…

『幕末維新を動かした8人の外国人』 小島英記

『幕末維新を動かした8人の外国人』小島英記 NHKの大河ドラマといえば、日本史を動かした奴が主人公になるのでお馴染みだ。ここでひとつ、誰もまだ見たことがなくて、すごく見てみたくなる大河ドラマを提案したい。日本史を動かした重要人物ならオッケーとい…

『ドイツ帝国の正体 - ユーロ圏最悪の格差社会』 イエンス・ベルガー

『ドイツ帝国の正体 - ユーロ圏最悪の格差社会』イエンス・ベルガー 著者のイエンス・ベルガーはNach Denk Seitenの編集者。ドイツのピケティと呼ばれているらしいが、その辺はどうなんだろうな。言ったもん勝ちな気がする。俺の薄っぺらい認識によれば、経…

『なんでも英語で言えちゃう本』 青木ゆか

『なんでも英語で言えちゃう本』青木ゆか タイトルで軽く言い切ってるのが痛快。著者は『ずるいえいご』の青木ゆか。日本経済新聞出版社から出てるので、急な海外出張が決まって切羽詰まったビジネスパーソン()が手にしてそう。内容的にはユルめのグロービ…

『キューバ』 伊藤千尋

『キューバ』伊藤千尋 アメリカが国交を回復させたので、このタイミングでキューバ本を読むのもいいかもしれない。著者は中南米の国々についての著作の多い伊藤千尋。クオリティ的に全然問題ないだろう。 米国は武力と経済制裁でキューバをつぶそうとしたが…

『インドと日本は最強コンビ』 サンジーヴ・スィンハ

『インドと日本は最強コンビ』サンジーヴ・スィンハ 新潮新書から『すごいインド:なぜグローバル人材が輩出するのか』を出したサンジーヴ・スィンハの新作。何をもって最強コンビとするのかよく分からない。しかし何となくインドと日本は相性が良さそうだ。…

『戦略インテリジェンス論』 シャーマン・ケント

『戦略インテリジェンス論』シャーマン・ケント 現代インテリジェンスの土台を築いた超大物、シャーマン・ケント(※英Wikipedia)。CIAの学校名(Sherman Kent School for Intelligence Analysis)にもなってる程。そのケントが記した古典的名作とされるのが…

『ネパールに学校をつくる - 協力隊OBの教育支援35年』酒井治孝

『ネパールに学校をつくる - 協力隊OBの教育支援35年』酒井治孝 あれこれ活動している海外青年協力隊。やってることが多岐にわたりすぎるので、じっくり一ヶ所で取り組んだ例を読んでみたい。そんな時これなんかはもってこいだ。この本ではネパールでの高校…

『日本‐呪縛の構図』R・ターガート・マーフィー

『日本‐呪縛の構図』R・ターガート・マーフィー 『日本経済の本当の話』で一気に評価を上げたターガート・マーフィーの新刊は、やはり日本がテーマだ。しかし今度は経済限定ではなく、日本そのものを語ろうとしている。こういった野心的な試みは、おうおうに…

『中東特派員はシリアで何を見たか - 美しい国の人々と「イスラム国」』津村一史

『中東特派員はシリアで何を見たか - 美しい国の人々と「イスラム国」』津村一史 サブタイトルから感じられる視線のやさしさがヒット。戦地に出向く特派員には珍しく、著者の津村は東大法卒の超インテリだ。クラウド特典あり。 著者が中東で撮影した未発表の…

『渋イケメンの国 - 無駄にかっこいい男たち』三井昌志

『渋イケメンの国 - 無駄にかっこいい男たち』三井昌志 語弊のある言い方になるが、三井は野生動物を撮るように人間を撮る。人によってはこいつの写真から「やさしいまなざし」的なものを感じるんだろうが(特に過去の作品だ)、俺はそうは思わない。 人間ら…

『共存の模索 - アメリカと「二つの中国」の冷戦史』佐橋亮

『共存の模索 - アメリカと「二つの中国」の冷戦史』佐橋亮 米中間には、かつての米ソ間にあったような緊張感が目に見えにくい。それは何故なのか? 俺はその辺が気になる。ひょっとして中国には英米圏に苦手意識があるのか。かつてアヘン戦争で蹂躙された苦…

『国境なき医師団 - 終わりなき挑戦、希望への意志』レネー・C・フォックス

『国境なき医師団 - 終わりなき挑戦、希望への意志』レネー・C・フォックス ぶっちゃけ人道活動にはピンと来ないが、紹介文にあるリソース配分やストラテジー構築とかは、ふつうにゲームみたいで面白そうだと感じた。 国境なき医師団として、いつどこで介入…

『スーパーパワー - Gゼロ時代のアメリカの選択』イアン・ブレマー

『スーパーパワー - Gゼロ時代のアメリカの選択』イアン・ブレマー ローレンス・リバモア国立研究所、フーヴァー研究所を渡り歩き、世界経済フォーラムで「ヤング・グローバル・リーダーズ」にも選ばれたイアン・ブレマーの最新刊。最近のユーラシアグループ…

『国際紛争を読み解く五つの視座 - 現代世界の「戦争の構造」』篠田英朗

『国際紛争を読み解く五つの視座 - 現代世界の「戦争の構造」』篠田英朗 題名に含まれる「戦争の構造」ってのがもう雰囲気出てる。書き手は篠田英朗だし、良書を量産する講談社選書メチエだし、ハズす予感がしない。 複数の人間集団が「相容れない目的」をも…

『2020年世界はこうなる』長谷川慶太郎/田原総一朗

『2020年世界はこうなる』長谷川慶太郎/田原総一朗 俺のイメージする2020年と、ボンクラの考える2020年がどれくらいズレてるか確認する作業用ブック。 ジャーナリストの田原総一朗と、国際経済評論家の長谷川慶太郎が、東京オリンピックを迎える2020年の世…

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン アメリカで最も嫌われているファミリーらしい、「現代版ロックフェラー家」のコーク一族(Koch family)に迫る。タイトルの「アメリカ真の支配者」という表現は眉唾だろうが、私企業が政治道楽に…

『イスラム化するヨーロッパ』三井美奈

『イスラム化するヨーロッパ』三井美奈 紹介文が熱い。書き手はクールビューティーの三井美奈。 西欧育ちの若者が、なぜ過激派に共鳴するのか。自由の国フランスで、なぜベールの着用が禁止されるのか。戦後復興の担い手は、いかにして厄介者となったのか。…

『ラテンアメリカ 21世紀の社会と女性』国本伊代

『ラテンアメリカ 21世紀の社会と女性』国本伊代 ラテンアメリカが「ジェンダー格差解消の先進地域」? ウッソだろ? と思ったら、ガチだった。 議席におけるパリティ(男女同数制)を法律で規定した国がすでに六カ国あり、アルゼンチン、ブラジル、チリでは二…

『ハンター・キラー』T・マーク・マッカーリー中佐/ケヴィン・マウラー

『ハンター・キラー』T・マーク・マッカーリー中佐/ケヴィン・マウラー 無人機で1400人を殺してる時点でほとんどサイコパス。パイロットのキチってる具合が気になる。「無機質な戦いの日々」ってコピーがイカす。 米軍の遠隔操縦航空機(RPA)戦闘プログラム…

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? - 中国人のホンネ、日本人のとまどい』中島恵

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? - 中国人のホンネ、日本人のとまどい』中島恵 中国関連の書籍が多い中島恵の新刊。彼女の謙虚でシャープな視点からは、爆買い現象がどう見えているのか。プレジデント社から。 中国取材29年のベテランジャーナリス…