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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

社会/政治

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子

『カストロとフランコ - 冷戦期外交の舞台裏』細田晴子 昨日はオバマ大統領が、キューバの地を踏んだ歴史的な一日だった。キューバ危機から実に半世紀以上が経過して、ようやく両国の歩み寄りが本格化し、何ともめでたいことである。さて、キューバと言えば…

『正義の境界』オノラ・オニール

『正義の境界』オノラ・オニール ジョン・ロールズに学んだオノラ・オニールの初邦訳。オニールについては、TEDのこの動画で見たことがあるかもしれない。けっこうな高齢。さて、オニールいわく「国境はもはや正当な正義の境界として見なしえない」。こう言…

『支配する人道主義 - 植民地統治から平和構築まで』五十嵐元道

『支配する人道主義 - 植民地統治から平和構築まで』五十嵐元道 本当のおもてなしは、目に見えない。もてなされる側が、もてなす側の気遣いを察知してしまい、それを負担に思って気苦労を感じてしまっては、それはもう「おもてなし」とは言えない。よって、…

『世界最強の女帝 - メルケルの謎』佐藤伸行

『世界最強の女帝 - メルケルの謎』佐藤伸行 ドイツ初の女性首相(3期目)アンゲラ・メルケルに迫ろうとした本。まったく知らなかったが、もともとは理論物理学の研究者だったのか。しかも夫はフンボルト大学ベルリンで量子化学の教授。そこらのリケジョとは…

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二

『未来型国家エストニアの挑戦 - 電子政府がひらく世界』ラウル・アリキヴィ/前田陽二 住基カード(2015年12月で発行終了)の時代から、未来型国家として注目されていたエストニア。この記事なんかは、2007年のものだ。「住基カードの普及策はエストニアの…

『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティルほか

『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティル/デニス・コプルトン/ベッツィ・ルーカル 食卓もまたグローバリズムの縮図だ。世界各地から運ばれてきた食材が並ぶ。アメリカであれば、その多様性は日本の比ではない。それでいて貧相なメニュ…

『ルポ 雇用なしで生きる - スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』工藤律子

『ルポ 雇用なしで生きる - スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』工藤律子 衰退大国スペインからの報告。スペインの衰退は、リーマンショックよりずっと以前、だいたい300年とか400年くらい前に始まってて、いまだに立て直される兆しがない。もう開き…

『フューチャー・クライム - サイバー犯罪からの完全防衛マニュアル』マーク・グッドマン

『フューチャー・クライム - サイバー犯罪からの完全防衛マニュアル』マーク・グッドマン この手の警鐘を鳴らす著者は、犯罪者としての素質があると思う。いい意味でも悪い意味でも。本人が自覚してなかったら、悪い意味で。だいたい善良な一般市民が「ドロ…

『友情化する社会 - 断片化のなかの新たな「つながり」』デボラ・チェンバース

『友情化する社会 - 断片化のなかの新たな「つながり」』デボラ・チェンバース 小田嶋隆の『友だちリクエストの返事が来ない午後』(2015)は友情論で、読み始めこそ「今さら友情かよ、ダッセー!」と思ったが、現代のリアルですぐれたコミュニケーション論…

『グローバル・ベーシック・インカム入門』クラウディア・ハーマンほか

『グローバル・ベーシック・インカム入門 - 世界を変える「ひとりだち」と「ささえあい」の仕組み』クラウディア・ハーマン/ディルク・ハーマン/ヘルベルト・ヤウフほか ベーシック・インカムと言えば、そこそこの先進国が、実験的に行っている政策だと思…

『影の権力者 - 内閣官房長官菅義偉』松田賢弥

『影の権力者 - 内閣官房長官菅義偉』松田賢弥 しまった、またもや現役の政治家に関する本だ。だが安心してほしい。この本では、政治家 菅義偉に迫れていないのだ。政治ジャーナリスト松田賢弥としては、痛恨のミスであるように思える。レビューもさんざんだ…

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド 「エマニュエル・トッドの新刊ね。また新書が出てたんだ」と、ふつうに思ってしまうが、よくよく考えれば、あまりふつうのことではない。トッドの母国でもペーパーバックは出ているも…

『世界史の中の安倍政権』南塚信吾/小谷汪之/木畑洋一

『世界史の中の安倍政権』南塚信吾/小谷汪之/木畑洋一 安倍政権については色いろと言われているが、それを支持する奴、支持しない奴、どちらの言葉にもパンチがない。こんな時に賢者はどうするか? 歴史に学ぶわけだ。この本では、三人の歴史家が、世界史…

『独裁者の子どもたち - スターリン、毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル

『独裁者の子どもたち - スターリン、毛沢東からムバーラクまで』ジャン=クリストフ・ブリザール/クロード・ケテル 独裁者の子供は、生まれたときから何かと苦労が多そうだ。周囲からの媚びへつらい、恨み辛みを浴びつつ、時に親戚相手に殺し合いをやった…

『「専業主夫」になりたい男たち』 白河桃子

『「専業主夫」になりたい男たち』 白河桃子 タイトルを見て、「ヒモ入門かな?」と勘違いしそうだが、実際はえらくマジメな一冊だ。「女性の管理職を3割増やすというなら、男性の家庭進出も3割増に」ってんだから、真面目すぎるだろ。しかし、訴えには一理…

『チェチェン - 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』富樫耕介

『チェチェン - 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』富樫耕介 飽きもせず世界各地で紛争が起きてるので、そろそろ誰か「紛争のデザインパターン」みたいな本を書いてくれないか。俺が読みたい。「和平のアンチパターン」でもいい。これはチェチェ…

『清沢洌の自由主義思想』 佐久間俊明

『清沢洌の自由主義思想』 佐久間俊明 『暗黒日記』と聞くと、「中二病かな?」と思ってしまうが、これは清沢洌が太平洋戦中に書き残した日記だ。井口喜源治に学び、アメリカに渡り、記者としてヘンリー・フォードやムッソリーニと会見し、国際ペン・クラブ…

『スウェーデン・モデル - グローバリゼーション・揺らぎ・挑戦』 岡澤憲芙/斉藤弥生

『スウェーデン・モデル - グローバリゼーション・揺らぎ・挑戦』岡澤憲芙/斉藤弥生 言われてみれば、スウェーデンは実験国家だ。そのわりに実験国家にありがちな、セカセカしたところがないのは、北国ならではの思慮深さのあらわれか。 二〇〇年間戦争を起…

『ヒラリー』 岸本裕紀子

『ヒラリー』岸本裕紀子 ちょっと前まで、「ふつうにヒラリーがトランプに勝って、順当に次期アメリカ大統領になるだろ。政策的にはオバマの踏襲で」と予想してた。だから、この比較的ゴシップ感覚で読めそうな、ヒラリー本を紹介するつもりでいた。しかし予…

『ドイツ帝国の正体 - ユーロ圏最悪の格差社会』 イエンス・ベルガー

『ドイツ帝国の正体 - ユーロ圏最悪の格差社会』イエンス・ベルガー 著者のイエンス・ベルガーはNach Denk Seitenの編集者。ドイツのピケティと呼ばれているらしいが、その辺はどうなんだろうな。言ったもん勝ちな気がする。俺の薄っぺらい認識によれば、経…

『ギャルと「僕ら」の20年史 - 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』 長谷川晶一

『ギャルと「僕ら」の20年史 - 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』長谷川晶一 レジェンドな雑誌『Cawaii!』の足取りをたどる本。この雑誌の表紙は、30メートル先からでも視認できるほどヒドいものだったが、それでいて「かわいい」を自称していたんだから恐…

『戦略インテリジェンス論』 シャーマン・ケント

『戦略インテリジェンス論』シャーマン・ケント 現代インテリジェンスの土台を築いた超大物、シャーマン・ケント(※英Wikipedia)。CIAの学校名(Sherman Kent School for Intelligence Analysis)にもなってる程。そのケントが記した古典的名作とされるのが…

『カール・バルト - 神の愉快なパルチザン』宮田光雄

『カール・バルト - 神の愉快なパルチザン』宮田光雄 バルメン宣言でも知られるカール・バルトの評伝。バルメン宣言は原理主義的すぎて、距離を置きたいとこだが、相手がナチだから仕方なかったのかもな。それにバルトにはユーモアの感性があったというから…

『同性パートナーシップ証明、はじまりました。 渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法』エスムラルダ/KIRA

『同性パートナーシップ証明、はじまりました。 渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法』エスムラルダ/KIRA 仕組みや意義がよく分からないので。そもそもパートナーシップ証明ってのが、何を意味するのかさえ分からん。 2015年11月5日、渋谷区・世田谷…

『官僚はなぜ規制したがるのか - レッド・テープの理由と実態』ハーバート・カウフマン

『官僚はなぜ規制したがるのか レッド・テープの理由と実態』ハーバート・カウフマン 官僚制度の問題点を解消する手がかりを得ようとして、絶望することになる本。作者のカウフマンは1947年に亡くなっているので、いよいよ絶望的な気分になれる。そして紹介…

『中曽根康弘 - 「大統領的首相」の軌跡』服部龍二

『中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡』服部龍二 世間的に田中角栄の再評価が静かに続いているので、その流れで中曽根康弘本を読んでみるのはどうよ? 自主憲法制定を訴えるタカ派、主張を変える「風見鶏」、首相就任時も、田中角栄の影響下「田中曽根内閣」…

『スーパーパワー - Gゼロ時代のアメリカの選択』イアン・ブレマー

『スーパーパワー - Gゼロ時代のアメリカの選択』イアン・ブレマー ローレンス・リバモア国立研究所、フーヴァー研究所を渡り歩き、世界経済フォーラムで「ヤング・グローバル・リーダーズ」にも選ばれたイアン・ブレマーの最新刊。最近のユーラシアグループ…

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン アメリカで最も嫌われているファミリーらしい、「現代版ロックフェラー家」のコーク一族(Koch family)に迫る。タイトルの「アメリカ真の支配者」という表現は眉唾だろうが、私企業が政治道楽に…

『政治行動論 - 有権者は政治を変えられるのか』飯田健/松林哲也/大村華子

『政治行動論 - 有権者は政治を変えられるのか』飯田健/松林哲也/大村華子 タイトルに垣間見える選挙への絶望感がいい。よほど深く絶望していなければ、こんなサブタイトル付けないだろ? 有斐閣から。 選挙の際に、私たちはどのようにして政治家や政党を…

『21世紀の不平等』アンソニー・B・アトキンソン

『21世紀の不平等』アンソニー・B・アトキンソン トマ・ピケティの師匠本を山形浩生訳で読む。弟子の方が有名になってしまい、師匠が本気を出しちゃったパターンに期待。 不平等研究の権威が、現代社会の根本を問い直す。思想の大転換を迫る書。格差をあきら…

『女性官僚という生き方』村木厚子/秋山訓子

『女性官僚という生き方』村木厚子/秋山訓子 すごろくの表紙がすごくダサい。村木厚子の無駄遣いだろ、これ。しかし「生き方をすごろくで表現しようとする姿勢が、ひょっとして女性官僚らしさなのか?」という偏見をもって読むと、逆におもしろそうな気がす…

『誰でもできるロビイング入門』明智カイト

『誰でもできるロビイング入門』明智カイト ロビイングというと、石油メジャーや全米ライフル協会や国際ヘッジファンドなどの活動(あるいは暗躍)が連想され、あまり良い印象は持たないだろう。だが本書でのロビー活動とは、そういったものとは一線を画す。…

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? - 中国人のホンネ、日本人のとまどい』中島恵

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? - 中国人のホンネ、日本人のとまどい』中島恵 中国関連の書籍が多い中島恵の新刊。彼女の謙虚でシャープな視点からは、爆買い現象がどう見えているのか。プレジデント社から。 中国取材29年のベテランジャーナリス…