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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『医薬データ解析のためのベイズ統計学』エマニュエル・ルサッフル/アンドリュー・B・ローソン

『医薬データ解析のためのベイズ統計学』エマニュエル・ルサッフル/アンドリュー・B・ローソン データ解析、機械学習の文脈から、急速に注目を集めるようになったベイズ統計。去年あたりから雨後のタケノコのごとく、入門書がバンバン出てる。出版社の思惑…

『孤高のハンセン病医師 - 小笠原登「日記」を読む』藤野豊

『孤高のハンセン病医師 - 小笠原登「日記」を読む』藤野豊 世にトンデモ学説はいくつもあるが、その中でもっとも下劣で愚かしいものは、差別と偏見を助長するために存在するトンデモ学説だ。癩予防法が施行されていた時代における、ハンセン病患者の強制隔…

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫 順天堂大学がん哲学外来の案内書。がん治療と言えば、外科手術、薬物療法、放射線治療あたりがメジャーで、哲学外来は飛び抜けて異色だ。しかし、生死に関わる病であるガンともなれば、哲学外来があっても不思議ではない…

『刃物の下では不死身の生きもの! プラナリア実験観察図鑑』宮崎武史

『刃物の下では不死身の生きもの! プラナリア実験観察図鑑』宮崎武史 見た目が微妙にキモいプラナリアだが、そこそこ世の中には受け入れられていて、それなりにファンもいるようだ。これはその写真集と考えればいいかもしれない。いちおう「実験観察図鑑」…

『国際バカロレアの数学 - 世界標準の高校数学とは』馬場博史

『国際バカロレアの数学 - 世界標準の高校数学とは』馬場博史 「バカロレアは次元が低すぎる」という批判は、批判のようでいて、批判になっていないと思う。あの次元の低さは、「未成年は勉強以外のことにもリソースをしっかり割くべき」、「それほど学力の…

『鳥ってすごい!』樋口広芳

『鳥ってすごい!』樋口広芳 日曜は食後に『ダーウィンが来た!』を見ることが多いが、家の連中はこの番組のおもしろさがまったく分からないようで、「そんな動物番組の何がいいの?」とまで言われる始末。すっげー面白いのになー。とりわけバイオミメティク…

『日本を救う数式』柳谷晃

『日本を救う数式』柳谷晃 タイトルの気概がすばらしい。実際に日本を救える数式が存在するのか知らないが、そんなのに関係なく心意気が上等。著者の柳谷晃は、かつて『情熱大陸』に出たことがあり、なかなかの変人だったのも好印象。目の奥で笑いながら、世…

『アインシュタインとヒトラーの科学者 - ノーベル賞学者レーナルトはなぜナチスと行動を共にしたのか』ブルース・J・ヒルマンほか

『アインシュタインとヒトラーの科学者 - ノーベル賞学者レーナルトはなぜナチスと行動を共にしたのか』ブルース・J・ヒルマン/ビルギット・エルトル=ヴァグナー/ベルント・C・ヴァグナー ヒトラー側についたノーベル賞物理学者フィリップ・レーナルトの…

『ひまわり8号 - 気象衛星講座』伊東譲司/西村修司/田中武夫/岡本幸三

『ひまわり8号 - 気象衛星講座』伊東譲司/西村修司/田中武夫/岡本幸三 天気予報でおなじみの気象衛星ひまわり。あれだけよく耳にするのに、実際のところ何をやってるのか、まったく知らない。ひまわり8号リアルタイムWebからスペックの高さは垣間見えるが…

『生き物と向き合う仕事』田向健一

『生き物と向き合う仕事』田向健一 一般に獣医というと、「生き物にやさしいまなざしで接する、ハートウォーミングな職業人」といった印象を持ちがちだ。だが、本作ではその印象をのっけから破壊する。「動物を救うことが獣医学の真理ではない。獣医学は、た…

『ラマヌジャン - ゼータ関数論文集』黒川信重/小山信也

『ラマヌジャン - ゼータ関数論文集』黒川信重/小山信也 『ラマヌジャンζの衝撃』の黒川信重と、『素数からゼータへ、そしてカオスへ』の小山信也による、豪華なラマヌジャン本。黒川と小山はよく一緒に仕事してて、ラマヌジャンが取り結んだ縁だなー、と思…

『黄砂にいどむ - 緑の高原をめざして』高橋秀雄

『黄砂にいどむ - 緑の高原をめざして』高橋秀雄 砂漠地帯の緑化はロマンだ。マスコミは時おり、「この地帯の緑化が成功しました。ご覧ください!」などとニュースで報道するが、実際は数年も手入れを放置すれば、もとの砂漠に戻ってしまう。そうそう簡単に…

『虫たちと作った世界に一つだけのレモン』河合浩樹

『虫たちと作った 世界に一つだけのレモン』河合浩樹 無農薬栽培の苦労話は数多いが、このレモン栽培では虫に注目したところが、とりわけ面白い。理にかなっているし、それでいて一筋縄ではいかないからだ。植物が生きているように、昆虫も生きていて、それ…

『文化進化論 - ダーウィン進化論は文化を説明できるか』アレックス・メスーディ

『文化進化論 - ダーウィン進化論は文化を説明できるか』アレックス・メスーディ すっげー単純なレベルに話を落として悪いけど、例えばインドは牛を食べない文化、イスラムは豚を食べない文化、ヨーロッパは鯨を食べない文化としてあるわけだろ? ダーウィン…

『Sparkによる実践データ解析 - 大規模データのための機械学習事例集』Sandy Ryzaほか

『Sparkによる実践データ解析 - 大規模データのための機械学習事例集』Sandy Ryza/Uri Laserson/Sean Owen/Josh Wills ビッグデータという言葉が2011年末に登場してから、ずいぶん経つが、ふつうに暮らしてる分には、それを使って何かしよう、という気に…

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀 帰り道、住宅街の物陰から、ひょいとネコが出てくる。だが、ネコにしては歩き方がおかしい。しっぽも太い。なんだ、タヌキじゃないか。という程度には、タヌキに化かされたこ…

『ねころんで読めるてんかん診療 - 発作ゼロ・副作用ゼロ・不安ゼロ!』中里信和

『ねころんで読めるてんかん診療 - 発作ゼロ・副作用ゼロ・不安ゼロ!』中里信和 親しみやすすぎる表紙とタイトルから伝わってくる、圧倒的な自信と実力。ハンパな医師には無理な芸当だ。それもそのはず、著者の中里は、大学病院に国内で初めて「てんかん科…

『気候を人工的に操作する - 地球温暖化に挑むジオエンジニアリング』水谷広

『気候を人工的に操作する - 地球温暖化に挑むジオエンジニアリング』水谷広 サブタイトルに「地球温暖化に挑む!」とあるが、紹介されてる技術を見ると、「小惑星を砕いて宇宙にばらまく」、「宇宙からレーザーを照射」、「火山を人工的に噴火させる」等と…

『触楽入門』仲谷正史/筧康明/三原聡一郎/南澤孝太

『触楽入門』仲谷正史/筧康明/三原聡一郎/南澤孝太 一般に「五感」とざっくり言うが、俺はまったく信じていない。例えば、平衡感覚や空腹感は、五感のどれに分類されるんだ? 「触覚じゃね?」とするなら、ずいぶん乱暴すぎる話だろ。感覚の数はもっと多…

『曝された生』アドリアナ・ペトリーナ

『曝された生』アドリアナ・ペトリーナ チェルノブイリ本はたくさん出てるが、これは人類学的アプローチを仕掛けてるレアな一冊。著者はペンシルベニア大学で人類学を教えているアドリアナ・ペトリーナ。2006年にニュー・ミレニアム賞(New Millenium Award…

『教えてゲッチョ先生! - 昆虫のハテナ』盛口満

『教えてゲッチョ先生! - 昆虫のハテナ』盛口満 盛口満は多くの本を出しているが、どれでもいいから適当に一冊を手に取ると、「この人、ガチだわ……」というのが分かる。さかなクンに近い。無類の生物好き。ほんと見境がない。そして博学でありながら、スタ…

『ユークリッドと彼の現代のライバルたち』 ルイス・キャロル

『ユークリッドと彼の現代のライバルたち』ルイス・キャロル ルイス・キャロル(本名チャールズ・ドジソン)は、『不思議の国のアリス』を書いた野郎としてよく知られているが、実は数学者でもある。オックスフォードで数学を教えていたというから立派なもの…

『Moving Plants』 渡邊耕一

『Moving Plants』渡邊耕一 世の中には「なぜそれをライフワークに?」と理解しかねる趣味がある。これはその産物。シーボルトが日本から世界に広めた侵略植物イタドリ(Fallopia japonicaもしくはJapanese knotweed)の奇ッ怪な写真集だ。ちなみにイタドリ…

『とんでもなくおもしろい宇宙』 柴田一成

『とんでもなくおもしろい宇宙』柴田一成 それではここで宇宙物理学者に登場してもらおう。太陽研究の第一人者でもある柴田一成だ。一流の学者にありがちな、ぶっ飛び加減が最高だぜ。喜多郎の『古事記』とコラボした『古事記と宇宙』とかな! 何だよ、その…

『果樹 高品質多収の樹形とせん定 - 光合成を高める枝づくり・葉づくり』 高橋国昭

『果樹 高品質多収の樹形とせん定 - 光合成を高める枝づくり・葉づくり』高橋国昭 世に理論物理学者がいるのなら、理論農学者がいても不思議ではない。いや、むしろ存在すべきだ。そして、これはそういった類いの本だ。それでいて実践的でもある。以下の紹介…

『層とホモロジー代数』 志甫淳

『層とホモロジー代数』志甫淳 著書の志甫淳は、斎藤毅の弟子。これが初の著作となるが、力強い紹介文から名著の雰囲気が香り立つ。だが同時に、読んでも絶対に分からないであろうとも確信する。ホモロジー、コホモロジー関係は、かみくだいて説明すると、わ…

『研究者としてうまくやっていくには - 組織の力を研究に活かす』 長谷川修司

『研究者としてうまくやっていくには - 組織の力を研究に活かす』長谷川修司 名門ブルーバックスから世渡りの本が出るとは、これは一体どういうことだ(困惑)。ネタとしては面白いが、悲しい気分になってくる。それだけ研究職の現状は厳しいってことか。 学…

『科学者、あたりまえを疑う』佐藤文隆

『科学者、あたりまえを疑う』佐藤文隆 シンプルにおもしろそう。表紙イラスト太陽の脱力感がすばらしい。著者は仁科記念賞を受賞してる理論物理学者だが、この脱力感で仕事してたら最高すぎる。科学エッセイ。 科学の本質を見つめて、いま起きている社会の…

『救急外来 ただいま診断中!』 坂本壮

『救急外来 ただいま診断中!』坂本壮 おおむね好評価の本書レビューをチェックしてみると、「医者もテンプレ対応してるのか!」という新鮮な驚きを味わえる。が、考えてみたら当然で、救急外来で毎度ゼロベース診断していたら、場合によっては時間切れで患…

『意識と無意識のあいだ - 「ぼんやり」したとき脳で起きていること』マイケル・コーバリス

『意識と無意識のあいだ - 「ぼんやり」したとき脳で起きていること』マイケル・コーバリス 『進化心理学が探る言語の起源』に『からだの左右と心理』など、ヘンな角度から心理学に向き合っているマイケル・コーバリス。その新作は、やっぱりヘンな感じだ。…

『数学を志す人に』岡潔

『数学を志す人に』岡潔 俺は数学を志す人を具体的にイメージすらできなければ、当然そんな人に向けたアドバイスもできない。そこで岡潔の言葉に耳を傾けることにする。 世界的数学者でありながら、日本人の心性や情緒に洞察を深め、多くの文章を遺した岡潔…

『脳が認める勉強法 - 「学習の科学」が明かす驚きの真実』ベネディクト・キャリー

『脳が認める勉強法 - 「学習の科学」が明かす驚きの真実』ベネディクト・キャリー こいつは訳者が一枚上手だ。地味な原題「How We Learn」を、ここまでキャッチーに仕上げるとは。だからと言ってハッタリ本というわけではない。ハッタリでベストセラーにな…

『身近なヤゴの見分け方 - 平地で見られる主なヤゴの図鑑』梅田孝/渡利純也

『身近なヤゴの見分け方 - 平地で見られる主なヤゴの図鑑』梅田孝/渡利純也 ヤゴへの果てしない愛が感じられる。何しろクワガタでも、セミでも、トンボでもなく、ヤゴ(!)の見分け方の図鑑なのだ。72種類もヤゴが存在するなんて知らなかったし、これまで…

『卒後10年目総合内科医の診断術』石井義洋

『卒後10年目総合内科医の診断術』石井義洋 ガチの専門書なので素人には無縁の本。著者のアメブロはここだが、「なるほど、医者はこうやって切り分けて診断するのか。しかし用語がサッパリ分かんねーな」と世界の広さを知らされる。 パズルを解くように、患…

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成 表紙の笑顔が最高! 2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智の伝記。書き手の馬場錬成は、2012年にも大村本『大村智 - 2億人を病魔から守った化学者』を出してて、安心して読める。 養蚕の…

『はじめての解剖生理学 - ぬりえで覚える人体の仕組み』二葉千鶴

『はじめての解剖生理学 - ぬりえで覚える人体の仕組み』二葉千鶴 発想がヤバい。塗り絵にすれば、確かに記憶に定着しそうだけど、人によってはトラウマものだろ、これ。 解剖学の授業内容をテキスト化したもの。臓器及び骨格のイラストをぬりえすることで学…

『カラスの補習授業』松原始

『カラスの補習授業』松原始 松原先生チース(リスペクト)。補習授業なのに、『カラスの教科書』とボリューム変わんなくね? もっと深く、もっとマニアックな一冊になりました。 思う存分松原先生のカラスワールドを堪能してください。 カラスの補習授業作…

『星空観察に出かけよう☆ 宙ガールバイブル』永田美絵

『星空観察に出かけよう☆ 宙ガールバイブル』永田美絵 また新ジャンル女子か。宙(そら)ガールね。そこはもっとキラキラさせて宙(こずみっく)ガールとかにしようぜ。 星の観方や天文現象がよくわかる。見上げればそこは、ワクワクの世界! 星空観察に出か…

『Excelで学ぶ食品微生物学 増殖・死滅の数学モデル予測』藤川浩

『Excelで学ぶ食品微生物学 増殖・死滅の数学モデル予測』藤川浩 さすが人類の英知を結集してつくられたExcel。マジ何にでも応用できるな。 食品を汚染する微生物が食品の製造及び流通過程でどのように増殖するかあるいは殺菌されるのかを数学モデルを使って…

『菌世界紀行 - 誰も知らないきのこを追って』星野保

『菌世界紀行 - 誰も知らないきのこを追って』星野保 謎の情熱に突き動かされて寒冷地にキノコ(雪腐病菌)を追い求める本。レビューを見る限り、底抜けにバカげた紀行のようだ。しかし対象がキノコであるならば、何となく腑に落ちるものがある。ところで、…

『香川発 希少糖の奇跡』松崎隆司

『香川発 希少糖の奇跡』松崎隆司 ジョブズがジョン・スカリーを口説いた際、「このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか」とバイブルには書かれているが、希少糖ビジネスで当てれば、砂糖水を売り続けたままでも世界を…