BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

経済/ビジネス

『外為決済とCLS銀行』中島真志

『外為決済とCLS銀行』中島真志 『決済システムのすべて』、『証券決済システムのすべて』、『SWIFTのすべて』で知られる中島真志の新刊は、CLS銀行モノ。ちなみにヘルシュタット・リスクを軽減するためG20の合意に基づいて設立されたのが、CLS(Continuous …

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』大熊将八

『進め!! 東大ブラック企業探偵団』大熊将八 こういう本を書くのは、青山や明治のイメージがあったけど(慶応でも可)、東大ってのが時代を感じる。日本経済の末期的な様相。表紙のユルさに反して、企業分析はしっかりしてる。ノベライズなので、ノンフィク…

『できる大人の「一筆添える」技術』むらかみかずこ

『できる大人の「一筆添える」技術』むらかみかずこ これは分かる。ただ仕事を頼むんじゃなくて、ほんの一言そえるだけで、グッとコミュニケーションは円滑になる。モチベーションも変わってくる。文書でも事情は同じで、「これとこれ、明日までにお願いしま…

『鮎川義介- 日産コンツェルンを作った男』堀雅昭

『鮎川義介- 日産コンツェルンを作った男』堀雅昭 鮎川義介による「事業は創作であり、自分は一個の創作家である」という言葉は、その波乱の生涯を見ると、深く納得させられる。たしかに創作家でもなければ出来ないような、非常に旺盛な事業展開だ。こういう…

『ウェブ小説の衝撃 - ネット発ヒットコンテンツのしくみ』飯田一史

『ウェブ小説の衝撃 - ネット発ヒットコンテンツのしくみ』飯田一史 著者は「衝撃 ネット小説のいま」を連載している飯田一史。ウェブ小説界隈にはほとんど縁がないが、今のところウェブで書かれなければならない必然性を伴った小説に接した記憶はない。だか…

『ダグラス・ノース 制度原論』ダグラス・ノース

『ダグラス・ノース 制度原論』ダグラス・ノース 去年11月に亡くなった、経済学の巨人ダグラス・ノースの実質的な遺作(他は共編著なので)、『Understanding the Process of Economic Change』の翻訳本。経済変化の本質は何か、制度はどう進化するのか、何…

『トランパー - 伊予吉田の海運偉人伝 山下亀三郎と山下学校門下生』宮本しげる

『トランパー - 伊予吉田の海運偉人伝 山下亀三郎と山下学校門下生』宮本しげる タイトルにある「トランパー」とは、海運用語で船会社が運航する不定期船サービスの俗称で、海のタクシーとでも考えるといい。山下亀三郎は愛媛生まれの実業家で、山下汽船(現…

『ゴミは会社を救う! - 環境と社会に良いことをして儲かる会社を創る方法』武本かや

『ゴミは会社を救う! - 環境と社会に良いことをして儲かる会社を創る方法』武本かや てっきり石坂産業の関係者が書いた本だと思ったら、違ってた。現在の石坂産業は、産廃業者にしては珍しく(失礼!)、環境にも経営にもやさしい、非常に合理的な方針でグ…

『完全なる投資家の頭の中 - マンガーとバフェットの議事録』トレン・グリフィン

『完全なる投資家の頭の中 - マンガーとバフェットの議事録』トレン・グリフィン パンローリング社の「ウィザードブック」シリーズには、時としてこういう本物が紛れ込むから侮れない。ウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイについては説明不要…

『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』ジョセフ・E・スティグリッツ

『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』ジョセフ・E・スティグリッツ 経済関係者は信頼できない。とりわけアナリストを名乗る連中はひどい。朝令暮改な言動は珍しくも何ともなく、マーケットが開く前と閉まった後で、言ってることが真逆になるのは、…

『プロが教える YouTubeビジネス活用術』石割俊一郎

『プロが教える YouTubeビジネス活用術』石割俊一郎 いまや誰でも簡単にネットに動画をアップできる環境がハード、ソフトともに整っているが、中小企業がそれをうまく使いこなしているとは言い難い。Webサイトやブログを中小企業がまるで活用できてなかった…

『成長をかけ算にする サイバーエージェント 広報の仕事術』上村嗣美

『成長をかけ算にする - サイバーエージェント 広報の仕事術』上村嗣美 サイバーエージェントと言えば、この何年かキラキラ女子に代表される新卒を積極的に採用しては、前面に「リア充な会社でーす!」とアピってて、どんな魂胆でそんなことやってるのか謎だ…

『ムーンショット! - Moonshot!』ジョン・スカリー

『ムーンショット! - Moonshot!』ジョン・スカリー ジョン・スカリーによるイノベーション本。モバイル、クラウド、センサー、ビッグデータに注目すべきという。なるほど、特に当たり障りのないことを言ってる。さすがだ。今なら他にも人工知能、フィンテッ…

『マルクスと贋金づくりたち - 貨幣の価値を変えよ』大黒弘慈

『マルクスと贋金づくりたち - 貨幣の価値を変えよ』大黒弘慈 「貨幣の価値を変えよ」シリーズの完結編。大黒が渾身のちからを込めて書いたであろう、このシリーズだが、まったく話題になってねー! 岩波から出てるし、柄谷行人が推薦してるし、大澤真幸がコ…

『経済学の本質と意義』ライオネル・ロビンズ

『経済学の本質と意義』ライオネル・ロビンズ すっかりケインズの陰に隠れて、歴史上に名前だけが残ってるようなライオネル・ロビンズだが、奴のこの『経済学の本質と意義』(1932年)がなければ、その後に出されたケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理…

『宿澤広朗 - 運を支配した男』加藤仁

『宿澤広朗 - 運を支配した男』加藤仁 ラグビーで日本がスコットランドに勝った過去を知らなかった。そんな番狂わせがラグビーでも起こりうるんだな。というか、そのレベルの大金星は、運を支配して実現できるものなのか?宿澤という人物をまったく知らなか…

『「感動」ビジネスの方程式 - 「おもてなし」を凌駕する驚異の手法』杉元崇将

『「感動」ビジネスの方程式 - 「おもてなし」を凌駕する驚異の手法』杉元崇将 泣ける話、腹立たしい話のテンプレートは、さほど手間をかけずに作れるだろう。では、「感動する話は?」となると、幅が広すぎて、たじろいでしまう。しかし「客目線で感動する…

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則 TPPは諸刃の剣で、うまく利用できたら有益だし、反対の場合には殺される。関税の段階的な撤廃、その影響はだいたい読める。それに伴う国益の瑕疵を、再規制で取り戻せないとする、ラチェット規定…

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー 国内のビジネス書だと、アップル、マッキンゼー、ディズニーらへんが神通力を持ってるようで、それにあやかったようなタイトルをよく見かける。『アップル イノベーションの神…

『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー

『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー BIS規制(バーゼル合意)で耳にしたことがあるはずのBIS(ビーアイエス)の本。ときおりBIS規制の変更で、世界中の銀行が右往左往することになる、あの謎の組織だ。スタッフは600人ほどで、その絶大な影響…

『牛を飼う球団』喜瀬雅則

『牛を飼う球団』喜瀬雅則 このタイトルだけ見て「ネタ本かな?」と思う奴はシロート。こんなんガチに決まってるだろ。徹底して本気で考えないと、球団が牛を飼う次元になんか到達できるわけがない。そして、得てして人間がとことん考え込むと、一見して「?…

『990円のジーンズがつくられるのはなぜ? - ファストファッションの工場で起こっていること』長田華子

『990円のジーンズがつくられるのはなぜ? - ファストファッションの工場で起こっていること』長田華子 ふだんの生活でバングラデシュを意識することはない。しかし家に一着くらいは、バングラデシュ製の服があるはずだ。この本は、そのバングラデシュにおけ…

『ボリンジャーバンドとMACDによるデイトレード - 世界一シンプルな売買戦略』 マルクス・ヘイトコッター

『ボリンジャーバンドとMACDによるデイトレード - 世界一シンプルな売買戦略』 マルクス・ヘイトコッター 何やら世界経済に不穏な動きがあるので、「この荒波で一稼ぎしてやろうじゃねーの!」と考えてるアホが多いかもしれないが、そうだな、老舗パンローリ…

『テキスト アンソニー会計学』 ロバート・アンソニー/レスリー・ブライトナー

『テキスト アンソニー会計学』 ロバート・アンソニー/レスリー・ブライトナー 著者のロバート・アンソニー(※英Wikipedia)は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授を40年以上にわたって務めた管理会計の大家。本人の名前が学名に入っちゃってるんだから…

『通訳ガイドというおしごと』島崎秀定

『通訳ガイドというおしごと』島崎秀定 観光政策と円安で、外国人観光客が目に見えて増えた。うっすら通訳ガイドに憧れる奴も少なくないだろう。そんな時には、この本だ。語学のアルクから出てるから、人選クオリティ的にも問題ないだろう。ただ通訳ガイド一…

『金利を見れば投資はうまくいく』 堀井正孝

『金利を見れば投資はうまくいく』 堀井正孝 日銀がマイナス金利に踏み切ったことで、銀行セクターは阿鼻叫喚状態だ。ヘタすりゃ倒産するところも出るんじゃねーの?というように、金利は重要なので、この本に軽く目を通すのもいいかもしれない。表紙はいさ…

『競争優位としての経営理念』 グロービス/嶋田毅

『競争優位としての経営理念』グロービス/嶋田毅 理念のある奴とない奴が争えば、十中八九、前者が勝つ。そりゃそうだ。理念がなければ、革新案も、理想像も、未来図も描けない。そんなカラッポな奴に、理念のある奴はそうそう負けない。当然それは企業にも…

『ゲーミファイ - エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来』 ブライアン・バーク

『ゲーミファイ - エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来』ブライアン・バーク それまで名付けられていなかった、ある手法に対して、2011年に「ゲーミフィケーション(Gamification)」との名前が与えられ、突如として脚光を浴びるよう…

『「職場のメンタルヘルス」を強化する - ストレスに強い組織をつくり、競争優位を目指す』吉野聡

『「職場のメンタルヘルス」を強化する - ストレスに強い組織をつくり、競争優位を目指す』吉野聡 2015年12月から始まった厚生労働省によるストレスチェック制度。スタッフが50人以上の事業所では、これを受けることが義務付けられた。まったく面倒な制度を…

『アシックス(見学!日本の大企業)』 こどもくらぶ

『アシックス(見学!日本の大企業)』こどもくらぶ 野暮ったいデザインが多いが、走り屋からの評価は異常に高いアシックス。子供向けの本なので、うっかり開発者が核心的な発言をしてくれることに期待する。 世界じゅうのスポーツマンに愛されるスポーツ用…