BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

児童書

『うるうのもり』小林賢太郎

『うるうのもり』小林賢太郎 ラーメンズの小林賢太郎といえば、ほころびを見つけるのがウマい。あるいは、ほころばせるのがウマい。すなわち、理詰めで話を作っていって、それが破綻するところを上手に見せてくれる。稀有な才能。そのセンスは絵本でも健在だ…

『いつだって ともだち』内田麟太郎/降矢なな

『いつだって ともだち』内田麟太郎/降矢なな 内田麟太郎と降矢ななペアによる「おれたち、ともだち!」シリーズの最新刊。三月はお別れシーズンなので、タイトルからして「そういう内容かな?」と思ったが、どうやら違うようだ。よって、まだまだこのシリ…

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代

『エジプト アフマド 毎日がもりだくさん!』常見藤代 NHK Eテレの「カラフル!」って番組が大好きで、いつも欠かさず見てる。まったく他愛もない15分番組でありつつ、極めて良質なドキュメンタリー。さて、この偕成社から出てる「世界のともだち」シリーズ…

『そりゃあもう いいひだったよ』荒井良二

『そりゃあもう いいひだったよ』荒井良二 気取らない伸びやかな絵、鮮やかな色使いと、ゴキゲンなタイトル。いつもの荒井良二だ。素晴らしい。傑作しか描けないビョーキに感染してるんじゃないか。大人ぶって「そりゃあもう いいひだったよ」と、表紙のクマ…

『簡単! 楽しい! おうちでできる音楽&リズムあそび』鈴木豊乃

『簡単! 楽しい! おうちでできる音楽&リズムあそび』鈴木豊乃 著者の音楽への果てしない愛を感じる。相手が子供だからといって、一切の手抜きを感じない目次構成。むしろ本気も本気。「歩くことはリズムを感じる第一歩!」、「怒鳴りたいときはうたって!…

『しあわせな いぬに なるには - にんげんには ないしょだよ!』ジョー・ウィリアムソン

『しあわせな いぬに なるには - にんげんには ないしょだよ!』ジョー・ウィリアムソン きたやま ようこの名作『りっぱな犬になる方法』を思い起こした奴も多いだろう。たしかにコンセプト的には、非常によく似ている。だが、似ているようで全然ちがう。仮…

『グーグースースー』ジョヴァンナ・ゾーボリ/シモーナ・ムラッツァーニ

『グーグースースー(そうえん社世界のえほん)』ジョヴァンナ・ゾーボリ/シモーナ・ムラッツァーニ イタリア・アンデルセン賞を受賞したジョヴァンナ・ゾーボリと、シモーナ・ムラッツァーニのコンビによる絵本。表紙のキツネが、あまりにも気持ちよさそう…

『わたしのいえ』 カーソン・エリス

『わたしのいえ』カーソン・エリス カーソン・エリスによる、初めての絵本。ひとめで分かる傑作感。表紙とタイトルから、そこに描かれるであろう物語と、そのタッチが手に取るように分かる。紹介文も素晴らしい。ただ手元に置いているだけで、幸せになれそう…

『アシックス(見学!日本の大企業)』 こどもくらぶ

『アシックス(見学!日本の大企業)』こどもくらぶ 野暮ったいデザインが多いが、走り屋からの評価は異常に高いアシックス。子供向けの本なので、うっかり開発者が核心的な発言をしてくれることに期待する。 世界じゅうのスポーツマンに愛されるスポーツ用…

『ソクラテスのいるサッカー部』キム・ハウン

『ソクラテスのいるサッカー部』キム・ハウン サッカーに哲学を求めると、だいたいこじらせてしまう。モンティ・パイソンの「哲学者サッカー」にせよ、マーク・ペリマンの『哲学的フットボール』にせよ、いずれも最高にヒドい出来だ(いい意味で)。キム・ハ…

『憑かれたポットカバー - クリスマスのための気落ちした気色悪い気晴らし』エドワード・ゴーリー

『憑かれたポットカバー - クリスマスのための気落ちした気色悪い気晴らし』エドワード・ゴーリー エドワード・ゴーリーを柴田元幸の翻訳で。このコンビ、ずいぶん長いつきあいだな。クリスマスはもう過ぎてしまったが、あれは幻だったから問題なし。 「我は…

『詩の寺子屋』和合亮一

『詩の寺子屋』和合亮一 和合亮一が寺子屋風に詩を語るんだったら、100パーおもしろいはず。おもしろくなかったら、この本自体がつまらないんじゃなく、お前の波長が詩と合ってないんじゃないか。 耳に残った言葉、心に浮かんだ言葉を、毎日書きとめておこう…

『発明図鑑 - 世界をかえた100のひらめき ! 』ジャック・チャロナーほか

『発明図鑑 - 世界をかえた100のひらめき ! 』ジャック・チャロナー/トレーシー・ターナー/クライブ・ジフォード/アンドレア・ミルズ 子供向きとあなどるなかれ。監修のジャック・チャロナーは、『人類の歴史を変えた発明1001』の編集にも携わっている野…

『心のなかを描きたい!』小池寿子

『心のなかを描きたい!』小池寿子 絵画入門かくあるべし。子供向け「美術っておもしろい!」シリーズの第四弾。ド直球なタイトルが胸を打つ。初期衝動で筆を握るのが、もっともまっとうな絵画のあり方なはず(それに応えられる入門書の少なさといったら……)…

『だれのものでもない岩鼻の灯台』山下明生/町田尚子

『だれのものでもない岩鼻の灯台』山下明生/町田尚子 タイトル、カバー、テキストすべてがクールな絵本。本書の主人公は灯台(無生物)だ。しかも絵本なのに、擬人化されてはいるものの、足がないから動けない。確かに灯台だから仕方ないとはいえ……、これで…