『脳内異界美術誌 - 幻想と真相のはざま』荒俣宏
『脳内異界美術誌 - 幻想と真相のはざま』荒俣宏
書くべき人が書いた本。荒俣センセイによる、幻想美術、アウトサイダー・アートに関する書籍。しっくり来る。だいたい本人自身が、異界から来たようなオーラ出してる。それでいてオカルト方面とは、きっちり一線を画していて、言動の端々から本物の教養が感じられる(博覧強記なところとは別に)。一見したところ好々爺だが、あれは世を忍ぶ仮の姿にすぎない。惑わされるな。
これはその荒俣によるオルタナティブな美術誌で、美術「史」の本ではない。とくに時系列に沿ったものではなく、かつ雑多な領域を横断しているためだろう。しかしスタンスには一貫性が感じられる。見えない存在を感じてしまう(あるいは見えてしまう)、ヒトの知性に対する、尽きない興味だ。
「目に見えない存在」を可視化し、異質の世界を表現したアーティストたちの実像とは?
脅威の美術に知の巨人・荒俣宏が迫る。
- 作者: 荒俣宏
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/02/27
- メディア: 単行本
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