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BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『なぜオーストリアは森でエネルギー自給できるのか - ヨーロッパ・バイオマス産業リポート』西川力

『なぜオーストリアは森でエネルギー自給できるのか - ヨーロッパ・バイオマス産業リポート』西川力

木質バイオマスのことを知らなかったので調べてみたら、意外と日本は健闘してた(国内で木質バイオマスが、ほとんど注目されてない割に)。林野庁のデータによると、製材、建材の利用率は90%以上もある。その一方で間伐材は、まるで利用されていない。ほぼゼロ%だ。それなりに間伐材のボリュームがあるとは言えるが(このデータ見積もりに変なバイアスが入っていないと仮定して)、しかしすべて活用したとしても現状の倍になるだけで、あまり日本ではインパクトない気がするなー。

本書はオーストリアからのレポートで、シビアな環境下でバイオマス産業が成立している現場に迫ったもの。労力に対して見合わないようにも思えるが、バイオマスが話題に上りがちな昨今なので、読み物としては興味深く楽しめるだろう。また、林業ビジネスの新しい可能性も見つかるかもしれない。なお、タイトルにあるエネルギー自給は、森というエリアに限ったものと考えられる。さすがにバイオマスだけでオーストリア全体のエネルギー供給をまかなえるとは思えない。

急峻な地形、高い人件費など、日本以上に厳しい条件の中で、なぜ、林業が栄え、バイオマス産業がビジネスとしてなりたつのか。

実践事例を集めた本書では、バイオマス産業を支える要所の林家企業・組織をそれぞれの仕事場で取材。