BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫

『がん哲学外来へようこそ』樋野興夫

順天堂大学がん哲学外来の案内書。がん治療と言えば、外科手術、薬物療法放射線治療あたりがメジャーで、哲学外来は飛び抜けて異色だ。しかし、生死に関わる病であるガンともなれば、哲学外来があっても不思議ではない。いや、むしろ、あった方がいい。

この本では、そのがん哲学外来に勤める樋野による「こころの処方箋」を紹介している。ところで、生死に関わる病、あるいは人の一生を左右する病は、ガンに限らない。となれば、ガンに限定しない哲学外来があってもいいだろう。その潜在的なニーズは大きいと思う(精神科では対応しきれない領域と考えるから)。

がん患者が次々入っては、笑顔で出てくる外来がある。その名は「がん哲学外来」。治療の不安から人間関係の悩みまで、主治医には打ち明けづらいあらゆる相談に著者は答え続けてきた。

がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

がん哲学外来へようこそ (新潮新書)