BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

Kindle

『ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方』カイゾン・コーテ

『ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方』カイゾン・コーテ ペンタゴン仕込みのメンタル強化本。まず間違いなくガチ。「恐れに支配された時に陥る『反応』を知る」とか、「意見の違う他人の考えを『道具』と考える」とか、「心の静寂を習慣に…

『ぼくらの仮説が世界をつくる』佐渡島庸平

『ぼくらの仮説が世界をつくる』佐渡島庸平 まさしくその通りなタイトル。世界は変わり続ける。それは仮説によって世界がつくり変えられるからだ。著者の佐渡島は、漫画『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』を手掛けた編集者であり、作家エージェント会社コルクを立…

『日本‐呪縛の構図』R・ターガート・マーフィー

『日本‐呪縛の構図』R・ターガート・マーフィー 『日本経済の本当の話』で一気に評価を上げたターガート・マーフィーの新刊は、やはり日本がテーマだ。しかし今度は経済限定ではなく、日本そのものを語ろうとしている。こういった野心的な試みは、おうおうに…

『危機と決断 - 前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録』 ベン・バーナンキ

『危機と決断(上下巻) - 前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録』ベン・バーナンキ ヨーダみたいなグリーンスパンの後、FRB議長に就いたバーナンキの回顧録。リーマンショック時の進むも地獄 退くも地獄な状況下、奴は何を手掛かりに決断したのか。俺が知りたい…

『同性パートナーシップ証明、はじまりました。 渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法』エスムラルダ/KIRA

『同性パートナーシップ証明、はじまりました。 渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法』エスムラルダ/KIRA 仕組みや意義がよく分からないので。そもそもパートナーシップ証明ってのが、何を意味するのかさえ分からん。 2015年11月5日、渋谷区・世田谷…

『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか』八納啓創

『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか』八納啓創 タイトルのB級感が味わい深い。スルーしようと思ったが、おおむね旧作が高評価だったのと、一貫して人と住空間を考えてる風だったから取り上げた。スタンスが変わらない奴はそれなりに信頼できる。過去…

『作詞の勉強本 - 「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる』島崎貴光

『作詞の勉強本 - 「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる』島崎貴光 この手の本は、もうまるでペラッペラのゴミか、思いがけず度肝を抜かれる掘り出し物か、そのどちらかしかない。中間はない。この本がどちらか分からないが、あけす…

『切らずに1枚で折る - 手間を楽しむ折り紙袋』フチモトムネジ

『切らずに1枚で折る - 手間を楽しむ折り紙袋』フチモトムネジ 多数のオリガミ本を出しているフチモトムネジの実用おりがみ。ぽち袋や箸袋など紙袋にフォーカスしてるから、ふつうに役立つだろうな。紙のサイズを変えさえすれば、イーカワなポチ袋の折り方で…

『リモートチームでうまくいく - マネジメントの常識を変える新しいワークスタイル』倉貫義人

『リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル』倉貫義人 物理的に離れたリモートチームは普通うまくいかない。それなのに「リモートチームでうまくいく」ってんだから、よほど手応えのある策を見出したのか? 前著『「…

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成

『大村智ものがたり - 苦しい道こそ楽しい人生』馬場錬成 表紙の笑顔が最高! 2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智の伝記。書き手の馬場錬成は、2012年にも大村本『大村智 - 2億人を病魔から守った化学者』を出してて、安心して読める。 養蚕の…

『プロ野球 見えないファインプレー論』仁志敏久

『プロ野球 見えないファインプレー論』仁志敏久 選手引退後は解説やコーチ業をこなしつつ、幾多の野球本を出している仁志敏久の新刊。見えないファインプレーが見えるようになれば、その分だけ試合を楽しめるようになるだけでなく、見えない駄プレーも、さ…

『星空観察に出かけよう☆ 宙ガールバイブル』永田美絵

『星空観察に出かけよう☆ 宙ガールバイブル』永田美絵 また新ジャンル女子か。宙(そら)ガールね。そこはもっとキラキラさせて宙(こずみっく)ガールとかにしようぜ。 星の観方や天文現象がよくわかる。見上げればそこは、ワクワクの世界! 星空観察に出か…

『漫画原作者は一体「何」を書いているのか』猪原賽

『漫画原作者は一体「何」を書いているのか』猪原賽 存在するのは知っているが、具体的に何をやってるのか謎の職業、それが漫画原作者。放送作家にも似たようなイメージを持っている。で、実際のところ何を書いているのか? マンガの原作だけで15年間以上生…

『国際紛争を読み解く五つの視座 - 現代世界の「戦争の構造」』篠田英朗

『国際紛争を読み解く五つの視座 - 現代世界の「戦争の構造」』篠田英朗 題名に含まれる「戦争の構造」ってのがもう雰囲気出てる。書き手は篠田英朗だし、良書を量産する講談社選書メチエだし、ハズす予感がしない。 複数の人間集団が「相容れない目的」をも…

『2020年世界はこうなる』長谷川慶太郎/田原総一朗

『2020年世界はこうなる』長谷川慶太郎/田原総一朗 俺のイメージする2020年と、ボンクラの考える2020年がどれくらいズレてるか確認する作業用ブック。 ジャーナリストの田原総一朗と、国際経済評論家の長谷川慶太郎が、東京オリンピックを迎える2020年の世…

『一般意志2.0』東浩紀

『一般意志2.0』東浩紀 あずまんの文庫化きてた。 「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据える新しい民主主義を構想できないか。 ルソーの一般意志を大胆に翻案し、日本発の新しい政治を夢想して議論を招いた重要書。 一般意志2.0 ルソー、フロイト…

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン

『アメリカの真の支配者 - コーク一族』ダニエル・シュルマン アメリカで最も嫌われているファミリーらしい、「現代版ロックフェラー家」のコーク一族(Koch family)に迫る。タイトルの「アメリカ真の支配者」という表現は眉唾だろうが、私企業が政治道楽に…

『お客を増やす努力をやめなさい!』池田順一

『お客を増やす努力をやめなさい!』池田順一 いかにも胡散くさいタイトル。出版社が日経BPということで、とりあえずチェックしてみたが、あれ? 意外といい本なんじゃね? ふたつのシンプルな質問は、たしかに的を射てる。 「顧客を増やすための値下げ→利益…

『アルパインクライミング考』横山勝丘

『アルパインクライミング考』横山勝丘 カバー絶壁の絶望感。クライマー、頭おかしい(褒め言葉)。老舗の山と渓谷社から。 この壁を見て登らないのは、クライマーとしてどうなんだ? アルパインクライミング考作者: 横山勝丘出版社/メーカー: 山と渓谷社発…

『香川発 希少糖の奇跡』松崎隆司

『香川発 希少糖の奇跡』松崎隆司 ジョブズがジョン・スカリーを口説いた際、「このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか」とバイブルには書かれているが、希少糖ビジネスで当てれば、砂糖水を売り続けたままでも世界を…

『親の家の片づけ方』大津たまみ

『親の家の片づけ方』大津たまみ 一種の生前整理を「これ1冊で安心」などと軽く紹介してるあたり、ガチ勢の掃除屋だと思わされる。 親の家の片づけは、整理整頓ができればOKというわけではありません。 いわゆるモノの整理だけだと、リバウンドしてしまった…

『発達障害の自分の育て方』岩本友規

『発達障害の自分の育て方』岩本友規 すべてに完璧な人間はいないわけで、ある意味だれもが発達障害を背負ってる。タイトルの「自分」に、岩本だけでなく俺もお前も含まれていると悟れば、この本を正しく読めるだろうぜ。 転職4回、30歳を過ぎて発達障害と診…

『キャラの思考法 - 現代文化論のアップグレード』さやわか

『キャラの思考法 - 現代文化論のアップグレード』さやわか 今さらキャラの話かよ、勘弁してくれ。ちまちましたサブカル周辺の糞アプデなら腹パンな。さやわかに期待して、いい意味で裏切ってもらいたい。 現実社会でもキャラを演じることが浸透した時代、い…

『21世紀の不平等』アンソニー・B・アトキンソン

『21世紀の不平等』アンソニー・B・アトキンソン トマ・ピケティの師匠本を山形浩生訳で読む。弟子の方が有名になってしまい、師匠が本気を出しちゃったパターンに期待。 不平等研究の権威が、現代社会の根本を問い直す。思想の大転換を迫る書。格差をあきら…

『だれが幸運をつかむのか』山泰幸

『だれが幸運をつかむのか』山泰幸 山泰幸教授といっしょに昔話を読む。さて、そこに描かれる幸せの構造とは何か? よく知られる昔話の多くがハッピーエンドで終わる。この幸せの物語を構造分析で解き明かすと「贈与」「援助」「交換」といったキーワードが…

『テロリストの息子』ザック・エブラヒム/ジェフ・ジャイルズ

『テロリストの息子』ザック・エブラヒム/ジェフ・ジャイルズ 今後もテロリストの息子が増えそうなので気になった。だが本来ならば、こういった「感動的な話」を称揚する以前に、誰かがテロリストとならざるを得ないような環境を(そしてその子供が差別され…

『ハンター・キラー』T・マーク・マッカーリー中佐/ケヴィン・マウラー

『ハンター・キラー』T・マーク・マッカーリー中佐/ケヴィン・マウラー 無人機で1400人を殺してる時点でほとんどサイコパス。パイロットのキチってる具合が気になる。「無機質な戦いの日々」ってコピーがイカす。 米軍の遠隔操縦航空機(RPA)戦闘プログラム…

『誰でもできるロビイング入門』明智カイト

『誰でもできるロビイング入門』明智カイト ロビイングというと、石油メジャーや全米ライフル協会や国際ヘッジファンドなどの活動(あるいは暗躍)が連想され、あまり良い印象は持たないだろう。だが本書でのロビー活動とは、そういったものとは一線を画す。…

『白紙からの選択』遠藤保仁

『白紙からの選択』遠藤保仁 生きるサッカー仙人遠藤。飄々と達観しすぎてて、まず読んでも参考にならないだろう。しかしその参考のならなさが、この男の言葉を読む楽しみなんだぜ。 「やりたくなかったら、やらない」「緊張することがない」「焦ることがな…

『9条は戦争条項になった』小林よしのり

『9条は戦争条項になった』小林よしのり 挑発的で問題作っぽいタイトル。いつものよしりんだな。抜群の安定性。よしりんを世論の座標軸に置いとくと、何かと参考になる。あまりブレないので、逆に世論がどの方向に向かおうとしているのか、把握しやすくなる…