『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティルほか
『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティル/デニス・コプルトン/ベッツィ・ルーカル
食卓もまたグローバリズムの縮図だ。世界各地から運ばれてきた食材が並ぶ。アメリカであれば、その多様性は日本の比ではない。それでいて貧相なメニューだったりするのは、アメリカだから仕方ないな。英語圏の料理は、イギリスを筆頭に、おそろしくプアだ。
そして、そういう食事に親しんでいる連中に限って、スローフードだの、オーガニックフードだの、ローカルフードだの、イメージ先行の料理に食いつく(ファッション音痴の奴に限って、ブランド物を有難がるようなもん)。その一方に、ファストフードに代表されるジャンクフードがあるわけだが、この並存はパラドクスでも何でもなく、ごく当然のものにすぎない。要は味覚音痴なんだから、社会学を持ち出す前に、そこを認めちまえばいいのに。ニューヨーカーって、この辺がアタマ悪いよな。
私たちが毎日食べているものには、目に見えないさまざまな力関係が織り込まれている。
- 作者: エイミー・グプティル,デニス・コプルトン,ベッツィ・ルーカル,伊藤茂
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本
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