BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティルほか

『食の社会学 - パラドクスから考える』エイミー・グプティル/デニス・コプルトン/ベッツィ・ルーカル

食卓もまたグローバリズムの縮図だ。世界各地から運ばれてきた食材が並ぶ。アメリカであれば、その多様性は日本の比ではない。それでいて貧相なメニューだったりするのは、アメリカだから仕方ないな。英語圏の料理は、イギリスを筆頭に、おそろしくプアだ。

そして、そういう食事に親しんでいる連中に限って、スローフードだの、オーガニックフードだの、ローカルフードだの、イメージ先行の料理に食いつく(ファッション音痴の奴に限って、ブランド物を有難がるようなもん)。その一方に、ファストフードに代表されるジャンクフードがあるわけだが、この並存はパラドクスでも何でもなく、ごく当然のものにすぎない。要は味覚音痴なんだから、社会学を持ち出す前に、そこを認めちまえばいいのに。ニューヨーカーって、この辺がアタマ悪いよな。

私たちが毎日食べているものには、目に見えないさまざまな力関係が織り込まれている。

社会学、地理学、政治経済学、歴史学の最先端の知見を総動員し、「食」を通して社会のあり方を読み解く。

食の社会学:パラドクスから考える

食の社会学:パラドクスから考える