『世直しの思想』鎌田東二
『世直しの思想』鎌田東二
「いまの世間は間違ってる!」とでも思っていなければ、こんなタイトルの本を書くことにはならない。だから『世直しの思想』という本を書くのも、なかなかの世直しである。しかし鎌田センセイの考える世直しなので、ちょっと予想ができない。「ここはひとつ世直ししよう!」と考えてる人の役に立つかもしれないし、あるいは置いてきぼりにされるだけかもしれない。
ところで「世直し」という響きには、テロやクーデター、デモ、革命といったものと違って、独特の味わいがある。あまり暴力的な気配がしなくて、ふんわり「ノー」を訴えてる感じが、何となくいい。主義主張を声高に叫ばないことが、かえって洗練された意思表示に思える。この感覚はアレだ、手直しのそれに近い。ちょっとだけ手を加えて、クオリティをグッと上げる感じ。
「大中世」とも言うべき激動と混迷の乱世の時代に、人はどう生きればいいのか。
根源的な「スサノヲの力」を問い、「楽しさ」とユーモアの創造を失うことなく「世直し・心直し」の必要性を訴えて、そこに込められた意味を語る渾身の話題作。
- 作者: 鎌田東二
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本
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