BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『層とホモロジー代数』 志甫淳

『層とホモロジー代数』志甫淳

著書の志甫淳は、斎藤毅の弟子。これが初の著作となるが、力強い紹介文から名著の雰囲気が香り立つ。だが同時に、読んでも絶対に分からないであろうとも確信する。

ホモロジーコホモロジー関係は、かみくだいて説明すると、わりと一般受けしそうなので、どこか勇気のある出版社が手を出さないもんかな。「それって数学なの?」ってくらい抽象度が高いので、うまくやれば相当おもしろいものに仕上がると思う。

本書では、環上の加群に特有な事象よりも、一般的に成り立つ抽象的な事象を重視する。

ある専門分野に特化した書き方はしていないが、それゆえ数学のどの分野に進むとしても役に立つ内容である。本書読了後、数学のどの分野を勉強するとしても役に立つ、数学の専門的勉強の基礎が得られるであろう。

層とホモロジー代数 (共立講座―数学の魅力)

層とホモロジー代数 (共立講座―数学の魅力)