『フロイトの〈夢〉 - 精神分析の誕生』秋吉良人
『フロイトの〈夢〉 - 精神分析の誕生』秋吉良人
フロイトの仕事をオカルト文学として退けるのは簡単だ。「エビデンスは何?」「データにして見える化してもらえます?」「おクスリ出しときますねー」
だが、フロイトの仕事の真価はそんなところにあるのではない。ちょうど現代の宇宙物理学が、ダークマターやダークエネルギーの存在を発見したように、ヒトの中に無意識を発見し、それがどのようなものであり、どのような振る舞いをし、究極のところヒトとは如何なる存在であるのか、そのことを突き止めようとしたところにある。
ではフロイトの偉大なアイディアは、いかにして育まれたのか。本書は、『フロイト フリースへの手紙(1887~1904)』でも知られるヴィルヘルム・フリースとの交流から、その秘密を探ろうというものだ。さて、果たしてフリースはボケ役だったのか、ツッコミ役だったのか。俺としてはその辺が気になる。
『夢解釈』出版以前のフロイトが、最も親しく手紙を交わした、ベルリンの耳鼻科医ヴィルヘルム・フリース。
二人の交流の記録を丹念にたどって、当時のフロイトの特異な思考世界に分け入り、精神分析誕生の秘密をさぐる。
- 作者: 秋吉良人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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