『愛犬たちが見たリヒャルト・ワーグナー』ケルスティン・デッカー
『愛犬たちが見たリヒャルト・ワーグナー』ケルスティン・デッカー
ふつうにワーグナーの評伝を書いてよさそうなのに、なぜかワンちゃん目線から語られる本書。まるで「ワーグナーがワーグナーたりえたのは、犬たちのおかげだった」と言わんばかりだ。著者のケルスティン・デッカー(※独Wikipedia)は、ワーグナーと同じライプツィヒ出身なので、ひょっとしたら地元では、その考えが根強いのかもしれない。「ワーグナー? あいつが成功したのは、犬たちのお陰さ」みたいに。
ともあれ、犬目線で書かれた伝記など読んだことがないので、どんな風に物語られるのか気になる。そして紹介文を読む限り、ストーリー自体も相当おもしろそうだし、文体にも何やらヒネリが入ってて、ちょっとした実験小説を読むような楽しみも味わえそう。
さて、かの無限旋律を耳にした犬たちは、どんな反応を見せてくれるんだろうか?
当時共に暮らしていた犬たちに視点が寄り添う形で記し、大作曲家の生涯と創作の秘密を明らかにする。
ワーグナー自身の手紙や覚え書き、自伝といったオリジナルなテキストと、同時代から現代にいたる研究書や評伝をもとにした記述を大胆にリミックスした、笑いと涙と感動に満ち、敬意と皮肉とユーモアにあふれた一冊。
- 作者: ケルスティン・デッカー,小山田豊
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2016/01/19
- メディア: 単行本
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そしてワーグナーと言えば、やっぱこの曲でしょ!