『異端思想の500年 - グローバル思考への挑戦』大津真作
『異端思想の500年 - グローバル思考への挑戦』大津真作
京都大学学術出版会から異端思想の本。うん、しっくり来るな。むしろ、京大から王道的な思想書が出てきたら困惑すると思う。著者の経歴も、物理学科を卒業して、経済学部につとめて、西欧社会思想史が専門だったというから味わい深い。
ところで、「異端」って言葉はイメージが悪いよな。正統とタイマン張れるスケールがあるのに、異端と言ってしまうと、すみっこでコソコソやってる印象になってしまう。もっといい言葉はないものか。条件さえ整えば、異端はいつでも正統を飲み込む。そのくらいのポテンシャルはある。それに、言ってしまえばグローバル思考もまた、(たまたま肥大した)異端のひとつにすぎない。
西欧近代には「永遠の人間観」にもとづいて既存の正統思想を批判し、時代を超える思考のグローバル化を試みたために、「異端」として排除されてきた思想家は少なくない。
本書は、西欧近代が誕生して以来500年のあいだに現れた思想を、人間精神の果敢な挑戦としてとりあげ、現代に生きるわれわれに発想の転換を迫る。
- 作者: 大津真作
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: 単行本
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