BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀

帰り道、住宅街の物陰から、ひょいとネコが出てくる。だが、ネコにしては歩き方がおかしい。しっぽも太い。なんだ、タヌキじゃないか。という程度には、タヌキに化かされたことはある。こんなふうに身近にいるといえば、タヌキは身近にいる。しかし詳しいことは、ほとんど知らない。いや、知っていることなど皆無に等しい。ここはひとつタヌキ学に入門とくか?

そして、タヌキといえば、キツネである。内山節の『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』は、べらぼうに面白かったので、タヌキも同じように面白いことを期待する(安直)。なお、2月10日に荻上チキのラジオ番組「Session-22」に著者の高槻が出てた。音声はこのリンク先から聞ける。かなり渋い声してる。

里山はもちろん、東京23区のほとんどで生息が確認されている一方、その生態はほとんど知られていないタヌキ。

どこにすんでなにを食べているのか、どうして化かすと思われたのかなどの基礎知識から、津波後の仙台湾にヒトより早く戻ってきた話など、野生動物の専門家がひとつひとつわかりやすく解説。