『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー
『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー
BIS規制(バーゼル合意)で耳にしたことがあるはずのBIS(ビーアイエス)の本。ときおりBIS規制の変更で、世界中の銀行が右往左往することになる、あの謎の組織だ。スタッフは600人ほどで、その絶大な影響力を考えると、やたらとコンパクト。ウィキッペの記述を見ても、ミョーに引っかかる。れっきとした組織なんだけど、モヤモヤ感が晴れない。
さて本書は、ド直球にもBISの正体と歴史に踏み込んでいくもの。BIS規制についての本は数あるものの、BISそのものに迫った本は驚くほど少ない。かろうじて読めそうなのは、矢後和彦の『国際決済銀行の20世紀』とジャン・トレップの『国際決済銀行の戦争責任』の2冊くらいか? それでは、アダム・レボー(※英Wikipedia)のこの本はというと……正直なところ微妙!
アダム本人は小説家でもあり、ノンフィクション方面での輝かしい実績があるわけでもなく、金融方面の専門家でもない。出版社は成甲書房で、解説は副島隆彦。陰謀論にありがちな雰囲気が、いささか書籍の紹介文にも感じられる。スルーしちまえばいいんだが、ほんとに貴重なBIS本なので、妥協案を提案したい。すなわち、怪しいと思った記述があった場合には、随時ネットで裏を取りつつ、本を読むってスタイルだ。おそろしく面倒だが、そういう読書の方法もあるってことで。
主要国の中央銀行のネットワークであるBIS(国際決済銀行)が、第2次大戦中も敵味方となく資金決済をしていた事実を暴き、現在も国際金融体制を支配している実態を描きあげている。
- 作者: アダム・レボー,副島隆彦[監訳・解説],古村治彦
- 出版社/メーカー: 成甲書房
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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