BOOK HUNTING

ノンフィクション系の新刊、近刊を平日5冊、週30冊ペースで紹介。児童書から医学書まで。

『しあわせな いぬに なるには - にんげんには ないしょだよ!』ジョー・ウィリアムソン

『しあわせな いぬに なるには - にんげんには ないしょだよ!』ジョー・ウィリアムソン きたやま ようこの名作『りっぱな犬になる方法』を思い起こした奴も多いだろう。たしかにコンセプト的には、非常によく似ている。だが、似ているようで全然ちがう。仮…

【番外エントリ】 祝はてな上場! 株主になりますか? →

いよいよ本日、はてな(3930)がマザーズに上場することになりました。「この機会にはてな株を購入しようかな?」と素朴に思ってる人も多いでしょう。そんな人に向けた、おそろしく初歩的なエントリを書きました。はてな株に興味がない方は無視してください…

『スタンフォード大学 - 夢をかなえる集中講義』ティナ・シーリグ

『スタンフォード大学 - 夢をかなえる集中講義』ティナ・シーリグ クリエイティビティだの、イノベーションだの連発してる奴に限って、クソみたいな企画を、さも大層なものであるかの如く説明したがる。この現象は何と呼べばいいんだろう。「バカ丸出し」と…

『文化進化論 - ダーウィン進化論は文化を説明できるか』アレックス・メスーディ

『文化進化論 - ダーウィン進化論は文化を説明できるか』アレックス・メスーディ すっげー単純なレベルに話を落として悪いけど、例えばインドは牛を食べない文化、イスラムは豚を食べない文化、ヨーロッパは鯨を食べない文化としてあるわけだろ? ダーウィン…

『喜屋武ちあきのアニメヨガ - アニメのポーズでキレイになる!』喜屋武ちあき/種村有菜

『喜屋武ちあきのアニメヨガ - アニメのポーズでキレイになる!』喜屋武ちあき/種村有菜 シェーのきゃんちが表紙で、出版社はリットーミュージック。どう考えても、適当な企画会議で生まれたネタが、何かの間違いで実行されてしまったパターン。だいたいヨ…

『評伝レヴィナス - 生と痕跡』サロモン・マルカ

『評伝レヴィナス - 生と痕跡』サロモン・マルカ エマニュエル・レヴィナスには、近づいたことがない。本人はユダヤ思想とガチで向き合い、かつ第二次大戦を通しユダヤ人としての生を強烈に体験してて、つまり土台の部分で、俺には理解しえないところがデカ…

『ドイツ修道院のハーブ料理 - 中世の聖女、ヒルデガルトの薬草学をひもとく』野田浩資

『ドイツ修道院のハーブ料理 - 中世の聖女、ヒルデガルトの薬草学をひもとく』野田浩資 「ドイツのハーブ料理が薬草学とリンクしてるなら、それはさながら漢方ならぬ独方になるのかな?」と思って、この本の背景をいろいろ調べてみたら、著者は元ボクサーで…

『影の権力者 - 内閣官房長官菅義偉』松田賢弥

『影の権力者 - 内閣官房長官菅義偉』松田賢弥 しまった、またもや現役の政治家に関する本だ。だが安心してほしい。この本では、政治家 菅義偉に迫れていないのだ。政治ジャーナリスト松田賢弥としては、痛恨のミスであるように思える。レビューもさんざんだ…

『透明迷宮』笠井叡/細江英公

『透明迷宮』笠井叡/細江英公 レジェンド細江英公による笠井叡の写真集。まだ細江が生きてて、しかも現役というのが驚き。三島由紀夫を撮った『薔薇刑』、土方巽を撮影した『鎌鼬』の、あのカメラマンだ。日本の写真史をひもとけば、必ずどこかで目にする、…

『古田織部 - 美の革命を起こした武家茶人』諏訪勝則

『古田織部 - 美の革命を起こした武家茶人』諏訪勝則 武将にして茶人である、古田織部の本。多くの人がそうであるように、俺も山田芳裕のマンガ『へうげもの』経由で古田織部のことを知った。名器は名器でも、茶道具の方の名器で興奮してしまう、あの変態だ…

『今日も猫背で考え中』太田光

『今日も猫背で考え中』太田光 特にこの本を紹介する予定はなかったが、今日は2月22日でネコの日(ニャン・ニャン・ニャン)だったから、猫に関係しそうな本を一冊くらいブッ込んでおきたかった。とりあえずタイトルに「猫」が含まれてるだろ? ついでに投稿…

『インスタント リア充 - 人生に「いいね!」をつける21の方法』地主恵亮

『インスタント リア充 - 人生に「いいね!」をつける21の方法』地主恵亮 つい先日、太宰治の次女で作家の津島佑子が亡くなった。R.I.P.さて、太宰と言えば、私小説だ(もちろん作風はこれに限らないが、一般的なイメージとして)。そう、自身のプライバシー…

『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二

『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二 認知症の老人をカモるのは倫理的にNGだろう。人としてやっちゃいけない気がする。だが一方で世の中には、認知バイアスを利用して人をカモろうとする商売が少なくない。俺に…

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則

『国際投資仲裁ガイドブック』末冨純子/濱井宏之/阿部克則 TPPは諸刃の剣で、うまく利用できたら有益だし、反対の場合には殺される。関税の段階的な撤廃、その影響はだいたい読める。それに伴う国益の瑕疵を、再規制で取り戻せないとする、ラチェット規定…

『世界を動かす少数民族』高やすはる

『世界を動かす少数民族』高やすはる 世界を動かすような少数民族が40も存在するか? 盛ってる気がするぞ。しかし、いくらか誇張があるにせよ、そういった少数民族の話が聞けるんなら耳を傾けよう。だいたいにおいて少数民族は、世界に動かされる側だからな…

『akiico hair diary 毎日かわいいヘアアレンジ』田中亜希子

『akiico hair diary 毎日かわいいヘアアレンジ』田中亜希子 女たちのヘアアレンジとは何か? それは断じて間違い探しではない。「今日のその髪かわいいね!」と男たちが気軽に言えるようにするための心遣いなのだ。よって、アレンジ変えてきたのに、それを…

『テロの文学史 - 三島由紀夫にはじまる』鈴村和成

『テロの文学史 - 三島由紀夫にはじまる』鈴村和成 作家たちは、なぜテロを描いてきたのか? この問いは、そんな難しいものに思えない。文学は弱者の立場から描かれがちだし、弱者が手にできる武器はそれほど多くなく、その中のひとつがテロであるので、結果…

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー

『トヨタのカタ - 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン』マイク・ローザー 国内のビジネス書だと、アップル、マッキンゼー、ディズニーらへんが神通力を持ってるようで、それにあやかったようなタイトルをよく見かける。『アップル イノベーションの神…

『みんなの家事ブック - 本多さおりの「家事がしやすい」部屋探訪』本多さおり

『みんなの家事ブック - 本多さおりの「家事がしやすい」部屋探訪』本多さおり 他人の部屋を訪ねるのは面白い。刑事気分を味わえる。住んでる奴の性格や価値観、暮らしぶりを、そこにあるモノから読み解いていく。俺「なるほど、遮光カーテンか。丈が長いの…

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド

『シャルリとは誰か? - 人種差別と没落する西欧』エマニュエル・トッド 「エマニュエル・トッドの新刊ね。また新書が出てたんだ」と、ふつうに思ってしまうが、よくよく考えれば、あまりふつうのことではない。トッドの母国でもペーパーバックは出ているも…

『仏像再興 - 仏像修復をめぐる日々』牧野隆夫

『仏像再興 - 仏像修復をめぐる日々』牧野隆夫 学術的な価値、あるいは骨董的な価値といった、わりあい客観的な要素を持つ仏像は、その重要性を説明しやすい。いわく「有名な仏師が彫った」、「当時の革新的な技術が使われている」、「名のある個人だれそれ…

『Sparkによる実践データ解析 - 大規模データのための機械学習事例集』Sandy Ryzaほか

『Sparkによる実践データ解析 - 大規模データのための機械学習事例集』Sandy Ryza/Uri Laserson/Sean Owen/Josh Wills ビッグデータという言葉が2011年末に登場してから、ずいぶん経つが、ふつうに暮らしてる分には、それを使って何かしよう、という気に…

『解読ジェフリー・バワの建築 - スリランカのアニミズム・モダン』岩本弘光

『解読ジェフリー・バワの建築 - スリランカの「アニミズム・モダン」』岩本弘光 インフィニティ温泉は大人気だ。水面と水平線が一体化し、まるで無限(インフィニティ)に湯船が広っているかのような感覚を味わえる。この原型インフィニティ・エッジ・プー…

『シャーロック・ホームズの思考術』マリア・コニコヴァ

『シャーロック・ホームズの思考術』マリア・コニコヴァ 誰かの思考術をトレースするのは面白い。そいつがどう感じて、どう考え、どう動いたか。そこが分かると、俄然たのしくなる。その相手がホームズともなれば、なおさらだ。ただし、シャーロキアンは世界…

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ

『優秀なる羊たち - 米国エリート教育の失敗に学ぶ』ウィリアム・デレズウィッツ マジかよ、アメリカの大学生って飢えたオオカミみたいな連中ばかりじゃなかったのか。だが言われてみれば、NHKの白熱教室シリーズでも、「公民館の無料講演会に来ました」みた…

『世界史の中の安倍政権』南塚信吾/小谷汪之/木畑洋一

『世界史の中の安倍政権』南塚信吾/小谷汪之/木畑洋一 安倍政権については色いろと言われているが、それを支持する奴、支持しない奴、どちらの言葉にもパンチがない。こんな時に賢者はどうするか? 歴史に学ぶわけだ。この本では、三人の歴史家が、世界史…

『並べて、焼けるの待つだけほったらかしオーブンレシピ』新田亜素美

『並べて、焼けるの待つだけほったらかしオーブンレシピ』新田亜素美 あまりにも気取らないタイトルだ。体裁も何もあったもんじゃない。口に出してみるとよく分かる。 「並べて、焼けるの待つだけ、ほったらかし」この手の料理本は、どうやら昨今のトレンド…

『グーグースースー』ジョヴァンナ・ゾーボリ/シモーナ・ムラッツァーニ

『グーグースースー(そうえん社世界のえほん)』ジョヴァンナ・ゾーボリ/シモーナ・ムラッツァーニ イタリア・アンデルセン賞を受賞したジョヴァンナ・ゾーボリと、シモーナ・ムラッツァーニのコンビによる絵本。表紙のキツネが、あまりにも気持ちよさそう…

『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー

『BIS国際決済銀行 - 隠された歴史』アダム・レボー BIS規制(バーゼル合意)で耳にしたことがあるはずのBIS(ビーアイエス)の本。ときおりBIS規制の変更で、世界中の銀行が右往左往することになる、あの謎の組織だ。スタッフは600人ほどで、その絶大な影響…

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀

『タヌキ学入門 - かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔』高槻成紀 帰り道、住宅街の物陰から、ひょいとネコが出てくる。だが、ネコにしては歩き方がおかしい。しっぽも太い。なんだ、タヌキじゃないか。という程度には、タヌキに化かされたこ…